2020.12.03
ストラテジックな彼女 Vol.1仮説1:ロリコン 仮説2:浮気性 仮説3:モラハラ
「元彼、37歳ですよね?アラフォーのくせに一回り下の女の子とサクッと結婚するなんて絶対ロリコンですよ。無事に結婚できたとしても将来確実に女子大生と不倫しますって。それに、3ヶ月で電撃婚って怪しいですね。二股していた可能性もあるのではないでしょうか」
「はぁ…、確かに…」
「それに、仮に礼美さんと別れた後に出会っていたとしても、“たった3ヶ月”で人間の中身なんて知りきれませんよ。きっと顔がドンピシャで好みだったとか、身体の相性が抜群だったとか若くて可愛いトロフィーワイフが欲しかったとかその程度でしょう」
忖度せずにズバズバと本質を突いてくる凛子に、礼美はただただ圧倒され、たじろいだ。しかし、凛子の講釈は止まらない。
「一回り年下の女の子と3ヶ月で対等な関係が築けているとは思いません。自分がイニシアチブを取りたい人間なのかもしれませんよ。もしかしたらモラハラの気があるかも…?」
「言われてみれば思い当たる節が…。同棲中、家政婦みたいに扱われていたし彼と結婚しても悲惨な未来があったかも…」
凛子に耳の痛い正論を突き付けられ、頭では理解できても、礼美は煮え切らない様子だった。
これだから女子会は嫌いだと凛子は思う。
女性は共感を求める生き物。耳触りの良い言葉でお互いの傷を舐め合い、自分の至らなさから目を背け、男を標的にして徹底的に叩き、無責任な励ましを求められる。
—こんなの不毛な時間だ。なんの解決にもならない。
「ねぇ礼美さん、女同士で愚痴っていても時間の無駄なので、一緒にお食事会に行きませんか?」
「是非!行きたい!凛子ちゃんのお食事会って質が高いってよく聞くもの」
礼美の顔がようやく華やいだ。傷心の礼美が目を輝かせてくれるレベルのカードは揃っている。
「あ、でも“お食事会”という名目ではないんですよ。いい男は所謂お食事会にノコノコ現れるほど暇じゃないですからね」
「慶應の集まりなんですけど良いですか?私、統計的にみても早稲田の男と波長が合わないことが多くて」
「え、えぇ。私も早稲田の男より慶應の方が合う気がする。なんでだろう」
「慶應の方が外れ値が少ないじゃないですか。福沢諭吉が“気品の泉源”って言っていたように、統計的に見ても紳士的な男性は多かったです」
海外の大学なのか国内の大学なのか。東大なのか京大なのか、慶應なのか早稲田なのか、一橋なのか東工大なのか。外資なのか内資なのか。GSなのかMcKなのか、商事なのか物産なのか。
“何を選ぶか”微妙な違いにその人の価値観や性格が如実に表れると凛子は考える。
それに、朱に交われば赤くなってしまうのが人の性(さが)だ。人間をカテゴライズしてしまうのは、良くないが、「傾向と対策」を知った上で戦略を練ることは必要なことだ。
「さ、涙を拭いて、楽しみましょ!」
それでは、次回は“お食事会”から…ストラテジックな凛子の世界をご覧あれ。
【本日のストラテジー】
・ゴールを明確に設定し、逆算して行動せよ
・出会った男をエクセルで管理し、自分に合う男をカテゴライズし傾向と対策をたてよ
・女子会は無駄。出会いの場へ出かけよ
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「え、わざと…?」ストラテジックな女・凛子のあっと驚くお食事会戦略とは
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