私、やっぱり結婚がしたい Vol.2

デートの帰り道、男がしてきた行為にゾワッ…。高級鮨店のお誘いに釣られた女に、訪れた悲劇

ペアリングで出てくるお酒も、日本酒からワインまで幅広く、お酒が強い自分の遺伝子に感謝した。

そして、もちろん誘ってくれた佐藤にも。

「本当に美味しかったです。ありがとうございました。佐藤さんに会えてよかった!」

「僕も、日奈子ちゃんに会えてよかったよ」

佐藤は顔を赤くしながら、私を出口へエスコートする。その時。

ーキャッ!


お尻に極めて近い、腰の位置に手が添えられ、ぐっと前へ押された。

びっくりしたのと同時に妙な不快感が全身を包み、ゾクッと寒気がする。

コートは入り口で預けていたから、私はワンピース一枚だ。しかも身体のラインが分かる程の薄めの生地。佐藤の生温い手の温度が、否が応でも良く伝わった。

そういえば、前回は敬語で、"さん”付けだったのにそれもなくなっていた。

完全に、距離をつめられている...。

「僕の家の近所に、いい感じのバーがあるんだけど。一杯だけどう?」

高級鮨をご馳走になった直後に二軒目の誘いを断れるほど、私は強くない。

それに自分のことを極上の美女だとも思っていないから、高価な食事を奢られて当たり前という感覚もない。

佐藤へ抱く感情はただ一つ、"申し訳なさ"だ。その気持ちだけで誘いに乗るほうが、もしかしたら残酷なのかもしれないが。

「一杯だけなら...」

私は、渋々二軒目に行くことにした。

しかし、この判断が後に自分を苦しめることになる。

重厚なドアの奥には、席数が少なく暗いオーセンティックバー。マスターが佐藤に気づくと、ジェスチャーで私達を中央の席に案内した。

温かく濃厚なオニオンスープが、可愛らしい小さいカップで出される。

「佐藤さんがこんなにお綺麗な方を連れてくるなんて。ゆっくりしていってくださいね」

ー彼女だと思われたら、嫌だなぁ。

スープで胃を温めながらそう思っていると、お店のマスターと目が合う。

心の声が読まれ、全てを見透かされているような気がして、思わず背筋を正した。

私は、平然を装いカクテルを注文する。佐藤がキープしている高価そうなウイスキーを一緒に飲まなかったのは、私のせめてもの抵抗だ。

甘めのギムレットが喉に染みる。

これを飲み干してしまえば、もう一杯、と促される。でもゆっくり飲み過ぎても帰るタイミングを失う。

ほろ酔いの頭の中でぐるぐると思考を巡らせていると、佐藤は、私の左手に自分の手をかぶせてきた。

「日奈子ちゃん、今日はもう少し一緒にいようよ」

「明日仕事なんですよね。朝早くって...」

「嘘。さっき、明日は休みだって言ってたよね」

ーヤバイ...!

この記事へのコメント

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No Name
お鮨の写真を撮って、ストーリーズに・・
それも好きでもない人とのデート・・・

アホかぁっ!!!反省しておけっ!笑
2020/11/14 05:1399+返信1件
No Name
高級寿司で釣る男はゲスいけど、釣られて食い逃げする女って賤しいわ。
2020/11/14 05:2199+返信1件
No Name
いやでも、腰に手を回す男はキモい
2020/11/14 05:3399+返信17件
No Name
高級寿司が食べたいがために生理的に無理(のような描写に思える)な人とよくもまぁ2人きりになれますね。
そんな人と一緒にいたら、どんなに美味しい料理でも味がしないと思うんですけど。
私には理解しがたい女性ですね…。
2020/11/14 06:0899+返信8件
No Name
男が予約とってくれていたのはともかくとして、高い店だし付き合う気もないのにお金払う気もなかったの?
私ならこの彼とはないなと思ったら別れ際にお金払わせてもらうな、借りを精算したい。
2020/11/14 05:5869返信8件
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