溺れる男~理性と本能のあいだで~ Vol.8

「その発言、アウト!」高級レストランでの初デート。女が凍り付いた、男の“ありえない言動”

—理性と本能—

どちらが信頼に値するのだろうか
理性に従いすぎるとつまらない、本能に振り回されれば破綻する…

順風満帆な人生を歩んできた一人の男が対照的な二人の女性の間で揺れ動く

男が抱える複雑な感情や様々な葛藤に答えは出るのだろうか…

◆これまでのあらすじ

商社マン・誠一は、婚約者・可奈子が仕向けた刺客だということを知らずに、魔性の女・真珠にのめり込んでいく。真珠と誠一の間に芽生えてしまった恋心は一体どうなるのか…?!

▶前回:朝まで一緒にいたのに、手を出されなかった女。男が一線を越えなかったショックな理由


「翻弄」


「どうしたんですか?マリッジブルーですか?」

後輩の声がイヤホンに響き、僕はハッとしてPC画面を覗いた。

どうやらオンラインミーティングが終わった後もカメラをオフにするのを忘れ、物思いに耽る姿を画面越しで見られていたらしい。

「いや、別に。そういえば松永さ、結婚して1年くらいだよね、ぶっちゃけどうなの?色々と」

「ぶっちゃけラブラブですよ。やっぱ全てがタイプなんで飽きないんですよ。喧嘩しても顔がタイプだと許せるし」

僕は机周りを片付けながら空返事をした。大学の後輩でもある松永は、一年前に慶応の準ミスと結婚し、女遊びをパタリと止めていた。

「“タイプの女”と結婚すれば間違いないっすよ。男が惚れてる方が絶対うまくいきますから。そういえば、いいとこのお嬢さんと結婚するんですよね。彼女、どんな感じなんですか?」

後輩に話をふられ、婚約者である可奈子の顔を今日初めて思い浮かべた。 しかし、すぐに真珠の顔が脳裏に浮かんでしまう。

「あー、わりぃ、そろそろ時間だから切るわ。先方に電話いれといてね」

「お疲れっす」

真珠に指定された“18時”に間に合うように17時半ぴったりに仕事を切り上げ、急いでタクシーに乗り込み、待ち合わせ場所である“僕がずっと行きたかったある場所”へ向かった。

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