黒ずきんちゃん Vol.1

黒ずきんちゃん:最初は優しかったのに、激しい攻撃性を秘めていた女。10年ぶりに再会した友人の本性

―もしあなたが、 ”善人の顔をした悪魔”と仲良くなってしまったら…?

世の中には、こんな人間がいる。

一見いい人だが、じわじわと他人を攻撃し、平気で嘘もつく。そうして気がついた時には、心をパクッと食べられている…

そう、まるで赤ずきんちゃんに出てくるオオカミのように、笑顔の裏には激しい攻撃性を隠しているのだ。

大手広告代理店に勤める結衣(29)は、ある時偶然、昔の友人・ユリア(30)と再会する。だがそれが、すべての悲劇の始まりだった。


あれは、朝からずっと雨が降り続いている日だった。

ささやかだけれども幸せで、平和な私の日常が、いつのまにかあの女によって壊されていたと気がついたのは。

「どうして...どうしてこんなことが起こるの…」

銀座の交差点で、私は呆然と立ち尽くす。

さっきまで静かに降っていた雨が、強くなっていた。雨音が強くなるにつれ、雨の粒はまるで傘に突き刺さるように、激しく打ち付ける。

「助けて…」

—カツ、カツ、カツ

ヒールの音と共に、また彼女がやってくる。

笑顔でそっと近づいてきて、平気で人の心を食らう、あのモンスターが。



ー1年前ー

「え、嘘でしょ?」
「ごめん。結衣には申し訳ないんだけど、結婚する気はない」

カフェで隣に座っている若いカップルが、チラチラとこちらを見ている。

その視線も耐え難いが、私が今一番辛いのは、2年間も交際していた涼から堂々と“結婚するつもりはない”と言われたことだ。

もうすぐ、30歳。結婚をずっと夢見て、そして涼と結婚できると信じていた私にとって、それはある意味死刑宣告のようなものだった。

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