かまわないでちゃん Vol.2

たった29歳で成功を収めた若手女社長。彼女の影にいた、14歳年上男の正体

「私まだ24ですし、若いうちは目立たなくて無難な名刺入れを使うべきって、ネットで見ました…」

メイコは微笑みながら首を横に振った。

「あのね、莉子。覚えておいて欲しいの。成功したかったら、自分で自分を大きく飾るのよ。見栄を張ってでもね。そうすれば不思議とそういう世界に居場所ができるんだから」

莉子はメイコの言葉に、溢れるような笑顔でうなずいた。

「じゃあ、これにします」


メイコが莉子と出会ったのは、1年ちょっと前のことだった。

メイコのランジェリーショップに、週1~2回のペースで足繁く通ってくれていた女子大生がいたのだ。

それが、莉子だった。

目立つような派手さはないが、可憐な雰囲気を携えた女の子。淡いピンクのランジェリーを手に取ってうっとり眺めていた莉子に、メイコは声をかけたのだ。

「お客様。いつも、ありがとうございます」

メイコが近づくと、莉子は背筋を伸ばして大きな目でメイコを見つめ返してきた。

「あの、本庄メイコさん…」

メイコはフルネームで呼ばれたことに少し驚いたが、莉子のキラキラした目を見て、一瞬で理解した。

―私のファンでいてくれてるのかしら?

ちょうどその頃からメイコは、雑誌やWEBニュースで時々特集を組まれるようになっていた。それを見てメイコに憧れ、お店に通ってくれる女の子も出てくるようになっていたのだ。

メイコの勘は当たった。

「メイコさんのこと雑誌で知ってから、本当に憧れで」

やや震える声でそう言った初々しい莉子のことを、メイコは今でも鮮明に覚えている。

それから、メイコと莉子はどんどん仲良くなっていった。

「今日も、来ちゃいました」

閉店間近に来店してくれた時には、メイコの方から食事に誘うこともあった。

そんな関係が続いたある日、食事の場で莉子は言った。

「私も、将来ランジェリーブランドを立ち上げたいんです。メイコさんに負けないくらい、若いうちに成功したくて」

力強いその声。

普段はフワフワとした雰囲気だったが「メイコさんに負けないくらいの」という言葉に、メイコは隠れた強さを莉子の中に見た。

そして、メイコの方から自然に言っていた。

「いいじゃない。勉強がてら、大学卒業したらうちで働く?」

メイコは、年下にものを教えることが好きだったのだ。それに、自分のことを慕ってくれる女の子がそばにいれば、もっと仕事に勢いがつくように感じた。

その誘いに莉子は、こぼれ落ちそうなくらいに目を開いて、ゆっくりとうなずいたのだ。

それ以来メイコは、仕事中は良きパートナーとして、プライベートでは妹のように、莉子を可愛がっている。

この記事へのコメント

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No Name
将来独立する前提の人を雇うってすごいな。
ノウハウ教えて給料払って、これで顧客ごっそり持って独立されたらどうするんだろう。
2020/09/22 05:3090返信9件
No Name
俊也さん、敏腕経営者だったんだ😃
野心のある若い子に色々教えるのが気持ちいいと感じる男なら、密かに莉子とも繋がっていたりしないかな? 莉子も野心家みたいだし、それくらい有り得るよね?
2020/09/22 05:3587返信3件
No Name
メイコと俊也の関係に違和感を持つのは、古い考えだからですか?

俊也にとってメイコは都合よくないですか!
(メイコも心地好いと思ってるみたいだけど)
2020/09/22 06:1031
No Name
ヴァレクストラじゃなくてジバンシィにしたんだ。
2020/09/22 06:3817
No Name
俊さん、ヒモじゃなかったんだね
2020/09/22 05:5316
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