彼女のウラ世界 Vol.10

「ベッドの上で見せた笑顔は、幻だった…?」付き合いたての彼女の態度が、一変したワケ

「僕は、彼女のことを何も知らなかった…」

プロポーズした直後、忽然と姿を消した彼女。捜索の手掛かりは、本人のものだと思われるインスタグラムのアカウントだけ。

―彼女が見せていたのは、偽りの姿だった?

インスタグラムに残されていた、慎ましやかな彼女の姿からは想像もできない世界とは…。

◆これまでのあらすじ

2019年4月。プロポーズの数日後、前触れもなく消えた敏郎の恋人・明子。なかなか彼女の消息が掴めなかったが、ついに明子の知人にたどり着く。

そして敏郎は、彼女がかなりのハイスペ女子であったことを知る。人間不信に陥った敏郎は、現・恋人の優里菜を呼び出し…?

▶前回:「学歴も収入も負けている女と、結婚できる?」婚約破棄された男のプライドが、打ち砕かれたワケ


「優里菜、おはよう」

カーテンの隙間から、朝の日差しがさし込む午前7時。敏郎の隣には、優里菜が無防備な表情で眠っている。

彼女のピンと張りのある頬を、敏郎は思わず指でつついた。

「おはよ、トシさん」

優里菜は気だるそうに目を覚ます。

「ごめん、起こしちゃったね」

「うん…」

優里菜は敏郎に背を向け、再び夢の世界へ旅立った。

昨夜は、敏郎の部屋で映画を見ながらゆったりと過ごした。もう彼女はこの部屋の住人と言ってもいい。

優里菜の寝顔を覗き見ながら、敏郎は今までにない幸せを感じていた。

―思えば、明子の寝顔なんて見たことなかったもんな。

こういう時、明子は敏郎より先に起きて朝食を作っていたからだ。…本音を言うと、優里菜にもそうして欲しかった。

彼女の寝顔を眺めるのも幸せだが、朝食を作ってくれたらもっと幸せだろう、と敏郎は思う。

そして今後のことを考えると、今のうちに教えてあげた方がいいのかもしれないと敏郎は気を引き締めた。

敏郎は、優里菜の頬を再び指でつついて、彼女を起こす。

「なあに…」

「優里菜、今度から朝ごはん作ってくれよ。卵焼きとみそ汁とか、簡単なのでいいから。あ、ポテトサラダとか僕、好きなんだよね」

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