
肉の底力を引き出す熟成の真髄を見た!
良店のオープンが続く目黒界隈。最近は“新・美食エリア”として注目を集めているが、昨年12月にオープンした『レストラン ユニック』は、肉好きならば早めにマークしておくべき1軒だ。
シェフの中井雅明さんは、目黒の人気店『レストラン キャスクルート』にて腕をふるい、満を持して独立。パリのレストランで肉料理部門を任された経験も持つ。ジビエを得意とするシェフとあって、この時期の『ユニック』のメニューは野うさぎ、青首鴨、うずらなどミートラバーのハートを掴む肉のオンパレード。
初来訪時にいただいた山鳩のロティは、火入れ術も内臓のソースも素晴らしく“目黒通りの肉侍、ここに見参”といった風格を感じた。パリで慣れ親しんだ熟成肉は、北海道の経産牛を使用。処女牛に比べ、肉質が落ちると言われる経産牛は、70日間熟成することでナッツ香を纏った極上肉へと変化を遂げる。
断面はビロードのような舌触りで、赤身も脂もしっかり旨い。シェフいわく「いい意味で胸がいっぱいになる」奥深い味。「若さばかりが武器じゃない」という雌牛の“メッセージ”に共感したのは言うまでもない。