東京テラス族 Vol.2

「う、嘘だろ…!?」34歳の男がずっと憧れていた美女の、衝撃のヒミツとは

—“何者か”になりたい。

東京で生きながら、漠然とそう願ったことはないだろうか。

田園調布で生まれ、私立一貫校で育った裕太(34)、同じく目黒出身の修二(34)。そして丸の内OLの優子(30)と、生粋のお嬢様である麗華(31)。

そんな4人がいつも集うのは、とびきりの雰囲気の中でお酒や料理が堪能できる、東京のどこかのテラス席。

複雑に関係が絡み合う、“テラス族”の男女4人。今ここに、熱くて切ないラブストーリーが始まるー。

裕太に密かに想いを寄せる優子。だが裕太の視線の先には麗華がいる。そして圧倒的な育ちの差に、優子は劣等感を抱くが…


裕太の場合。


—ブォン….

表参道の交差点の信号待ちをしながら、車のエンジン音に耳を傾けてみる。昨年買ったばかりのフェラーリだが、やはりエンジンが安定していて良い。

そんな事を考えながら、僕は車を青学方面にまっすぐ走らせた。

すっかり人の流れが戻ってきた、表参道。しかし真夏にも関わらず、全員がマスクをして歩いている光景に対し、たまに不思議な感覚に襲われるのは僕だけなのだろうか。

楽しそうに腕を絡めるカップルなどを横目に、駐車場へ入れようと青学の前を右折した途端、不意に昔の彼女に言われた言葉を思い出した。

「裕太くんって、狭い世界で生きているよね」

それは、自分でも分かっている。

ずっと、この界隈で育ってきた。それが自分の武器でもあり、他へ行きたいとも思わない。けれども34歳になり、これでいいのかという葛藤も生まれている。

ここから抜け出す方法も知らなければ、もっと上へ行く方法も分からない。そんな僕は、この大都会・東京でもがいているのかもしれない。

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