モテる男は料理ができる?
近頃、「料理に目覚める男子」が増えてきている。
外資系IT企業で働く大智(だいち)は、食事はもっぱら外食かUber Eatsのズボラ男子。
だが、遠距離片思い中のスミレの気を引きたくて料理を始める。
ステキ料理男子ができあがるまでの料理と恋のストーリー。
「キッチン・マン」一挙に全話おさらい!
第1話:料理をインスタ投稿する女が気付かない、男子がチェックする意外なポイント
大智(だいち)は外資系IT企業に転職して2年目だ。前職の日系IT企業時代よりも給料が上がり、仕事の裁量も大きくなりそれなりに充実した日々を送っている。
食事会から3週間後の土曜日の昼下がり。大智はリビングのソファーで寝転びながら、LINEの画面とにらめっこしていた。スミレは新聞記者で、仕事時間が変則的だから返信のタイミングもまちまちだ。
ーLINEだけのやり取りだと話題がなくなってきたな…。
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第2話:「どうしても気になる」好きな子のSNSを逐一チェックする、28歳男の本音
ー料理でも始めたら、何か変わるのか…。
あれこれ考えているうちに、料理は自分を変えるきっかけになるのではないかと、かすかな期待を抱き始めた。
「まさかラー油しかないとは思わなかったよ!」
カウンターから顔をのぞかせた章二に、笑いながら言われる。
「あ、それお土産でもらったやつ。辛いもの好きだからさ」
「食材の前に、まずは調味料からだな。買い物行くぞ!」
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第3話:彼女が絶えないモテ男。28歳にして初めて指摘された、致命的な弱点
章二の言う通り、大智は小さい頃から勉強もスポーツも得意で、恋愛に積極的な訳ではないが彼女が絶えなかった。好きになる子は大抵振り向いてくれたし、相手から言い寄ってくることも少なくなかった。
「大智にはまだ心開いてないから、スミレちゃんは本心を話せないんじゃないかな」
ー俺は相手の気持ちを読むのが下手だったのか…。それに、スミレちゃんに会うまでは女子からのLINEなんてマメに返信することもなかったしな。
スミレとのLINEのやり取りも、大智が送る内容は自分の日々の出来事ばかりだ。言われてみれば会話が続かないのも当然だった。
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第4話:「相変わらずだな…」半年ぶりに元カノと再会し、別れた理由を再認識した出来事
初めて章二と料理を作ってから1ヶ月。仕事が早く終わった日は、なるべく料理をするように心がけている。今料理のモチベーションになっているのは、インスタだ。
「大智頑張ってる!」
「うまそ〜今度俺にも作って!」
レシピの備忘録のために投稿を始めたが、友達の応援やアドバイスがいい刺激になっている。
昨日はニンニクたっぷりの餃子に挑戦したが、火加減を間違えたせいで真っ黒の餃子のハネができてしまった。
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第5話:「あの時、結婚していたら…」プロポーズを断り、仕事を選択。27歳女が過去を引きずるワケ
新天地で働き始めたスミレは、最初は目が回るような忙しさに息つく暇もなかった。
新聞社の新人は、警察担当となり事件や事故の取材を担当することになっている。深夜に警察署を訪ね、地道に情報を集めるいわゆる「警察回り」をした。
朝早く出掛けて、帰る頃には夜中ということも珍しくない。たかが数行程度の記事でさえも、何度も修正をくらい、肉体的にも精神的にもプレッシャーがのしかかっていた。
「私、一体何しているんだろう」
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第6話:「実は、イイ男だったのかも…」女が元カレと別れて後悔している理由
大智は、思い切って付き合って欲しいと告白したが、2人の間には沈黙が流れていた。
「いきなりだったよね。返事は今すぐじゃなくてもいいよ」
スミレの戸惑ったような表情に気が付き、咄嗟に大智は、そうつぶやいた。
「ありがとう。1週間だけ、時間もらっていいかな。私も大智くんと一緒にいると、すごく楽しいと思ってる。だからしっかり考えて返事したい」
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第7話:「元カノからの連絡って迷惑…?」復縁したい女と男の本音
ーあの会社は仕事出来る人間が、他の人の仕事までやる羽目になるからな。慶子は責任感もあるし、苦労してるんだろうな。
最終的にはチームの仕事が全部降ってきた前職のことを思い出す。
「最後はいい人に出会えないって嘆いてたよ。でも俺には仕事の焦りを恋愛で紛らわそうとしてる気がしたんだよ。だから有給取って、のんびり自分の時間持ちなってアドバイスしておいた」
ーそれにしても、なんで慶子が…
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第8話:「料理男子はモテる!?」恋愛対象外だった男に、美女が落ちたワケ
「本当に!?やった!!」
スミレの思いがけない言葉に、つい声が大きくなる。
「うん。1週間ずっと考えてたんだけど、大智くんと付き合いたいって思ったの」
「うわーよかった!実はこの1週間ずっと不安だったんだ」
大智は子供のようにはしゃいだ。
ーもっと話したいけど。でもスミレちゃんはこの後研修の打ち上げがあるし、明日にとっておこう。
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第9話:「画面越しの会話も飽きた!?」遠距離の彼女とオンラインデート。マンネリ打開策とは
「スミレちゃんの家にいく前日なんだけど、前職の同期会があるんだよね」
「いいね!」と相槌をうつスミレ。
「実はその会に元カノが来るんだけど、一応伝えておくね。もし嫌だったら行かないよ」
一瞬の間の後、スミレは口を開いた。
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