彼女のウラ世界 Vol.4

別れた彼女の職場に、突然押し掛ける元・婚約者。非常識な男に伝えられた、衝撃の事実

「僕は、彼女のことを何も知らなかった…」

プロポーズした直後、忽然と姿を消した彼女。捜索の手掛かりは、本人のものだと思われるインスタグラムのアカウントだけ。

―彼女が見せていたのは、偽りの姿だった?

インスタグラムに残されていた、慎ましやかな彼女の姿からは想像もできない世界とは…。

◆これまでのあらすじ

2019年4月。プロポーズの数日後、前触れもなく消えた敏郎の恋人・明子。手掛かりは、彼女のものと思われるインスタグラムだけだが、なかなか消息がつかめない。そんな中、彼女のパート先を思い出した敏郎は…。


敏郎はその日、有給休暇を取得し、新宿へと向かった。新宿西口にあるビルの一角に、明子が勤めている旅行会社のカウンターがあるのだ。

「いらっしゃいませ」

午前中であるせいか人もまばらな店内を、敏郎はぐるりと見渡した。

「やっぱり、いないか」

明子の姿はなく、敏郎は逆にホッと胸をなでおろす。それもそのはず、彼女のシフトが入っているはずの曜日を避けてきたのだから。

―別れた恋人が突然職場に乗り込んでくるとか、逆の立場で考えたらこれほど迷惑なことはないからな…。

そんな敏郎なりの気遣いだ。

目的は明子の近況や連絡先を聞き出すこと。そのための口実も用意してある。

敏郎がカウンターへ向かうと、明子と同年代の女性が対応してくれた。胸の名札には杉山直美と書いてある。敏郎は席に着くなり、単刀直入に尋ねた。

「実は私、近藤明子さんを探しているんです」

「近藤、ですか…?」

「在籍していますよね。実はこういうものでして」

敏郎は、テレビ局の名が書いてある自身の名刺を差し出した。

「番組制作をしているものです。近藤さんを探しておりまして、本人に会う前に少しお話を伺いたくて」

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