14日間の恋人 Vol.6

「俺は君に、運命を感じてる」。2人きりになった途端、男が女に告げた本音

ひとり旅をするとき、こんな妄想をしたことはないだろうか。

―列車で、飛行機で、もし隣の席にイケメンor美女が座ったら…?

そして、妄想は稀に現実になる。

いくつになっても忘れないでほしい。運命の相手とは、思わぬところで出会ってしまうものなのだと。

傷心旅行に発った及川静香は、素性の知らない男と恋に落ちるが…。出会いから、別れまで、たった14日間の恋の物語。

◆これまでのあらすじ

静香は元カレに別れを告げられ、二人で行く予定だったハワイへ一人旅に出る

出会ってすぐに男女の仲になった勇作に運命を感じるが、彼は過去の恋愛で傷を負っているようで…。


Day6, 2019年6月13日


9時30分、『ディーン・アンド・デルーカ・ハワイ』。

「今日は何がしたい?」

静香が泊まる『ザ・リッツ・カールトン ワイキキビーチ』の1階で、ジュースを飲みながら勇作は聞いてきた。

ガイドを依頼して、すでに3日目。

1日目は王道のオアフ東端を、そして2日目は勇作おすすめのオアフ西端を、ともにドライブした。

「リクエストがなければ、オアフの北、ノースショアとかハレイワに行こうかなって思っているけど」

「リクエストなら、ある。あなたのことをもっと知れるような場所を案内してほしいの」

静香は覚悟を決めて口を開く。それを言うには、少しだけ勇気が必要だった。

「俺のことを、もっと知れる場所…?」

勇作は、怪訝な表情を浮かべる。静香は心が折れそうになったが、それでもめげない。

「あなたのことが、もっと知りたいの」

男と女として過ごした、ロマンチックな最初の3日。

そしてその後、ガイドと客として過ごした、ロマンチックさのかけらもない3日。

1週間前までは、まったくの赤の他人だった勇作のことを、少しずつ理解した…つもりだった。

「昨夜、あなたは私に聞いたでしょ?“同じように愛せる人が二度と現れないかもって、怖くならないか”って」

「…うん、たしかに聞いた」

「その意味が、知りたいの」

静香は訴えかけるように、勇作を見た。

勇作はわずかにフーッと息を吐いてから、頷く。

「うん。わかった。じゃ、行こう」

ジュースを飲みほして、彼は立ち上がった。

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