天秤女~恋は同時進行で~ Vol.5

「途中で放り出されるなんて…!」出張先のホテルの部屋で、男からお預けを食らった美女

最高の相手と結婚したい。誰もがそう思うだろう。

ときめき、安定、相性の良さ…。だけど、あれもこれも欲張って相手を探していると、人生は瞬く間に過ぎていくのだ。

「婚活は、同時進行が基本でしょ?」

そんな主張をする、強欲な女・与田彩菜。

—選択肢は多ければ多いほうがいい。…こっそり誰にもバレないように。

彼女は、思い通りに幸せを掴めるのか…?

◆これまでのあらすじ

彩菜は、経済力のある彼氏・直人一目惚れした仕事仲間・蓮相性抜群の友人・大輝と同時進行で交際し、ベストパートナーと結婚するつもりだ。

そしてロンドン出張の最終夜、蓮からホテルの部屋に呼ばれ…


ホテルの部屋で、蓮は二人が脱いだコートをハンガーにかけてから、彩菜に向かって言った。

「座ってください。シャンパンがあるので、シャンパンでいいですか?」

3人掛けのソファの端に、彩菜は腰を下ろす。

「ええ、お願いします」

蓮は微笑みで返し、ミニバーに並んでいたシャンパンボトルの栓を丁寧に開けた。

背筋がピンとした立ち姿に、真剣な眼差しの横顔。彩菜は本人に気づかれないように、それを見つめた。

ロンドン出張最終日の夜。ここまで蓮と距離を縮めるチャンスがなかなか無かったが、ついに彼の部屋に来てしまった。

なんだか心がふわふわしている。

当然、アルコールだけのせいではない。どれだけ夜を重ねても、初めての男性とは緊張するのだ。これからのことを想像して期待しつつも、同時に身構える自分がいる。

「あらためて、出張お疲れさまでした」

「お疲れさまでした」

彩菜と蓮は乾杯した。蓮もまたソファの端に座っているので、二人の間には一人分の距離がある。

「先ほどの話の続きを、いいですか?」

蓮がそう切り出して、彩菜は頷く。

「与田さんも俺と同じで、好きな異性には“ときめき”が必要だと、おっしゃいましたよね」

「ええ」

「…俺が、与田さんにときめいていたこと、気づいてましたか?」

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