今さら聞けないワインの基礎知識 Vol.30

年末年始といったら泡!今、注目すべきはイギリスのスパークリングだった!

――1,000円程度のスパークリングワインも、白ワイングラスで飲んだほうが美味しいですか?

柳「純粋に香りや味を楽しむなら白ワイングラスをおすすめするけど、低価格のスパークリングワインには爽やかさやフレッシュさを追求するタイプも多いよね。

単純に爽快感を求める場合はフルートグラスで良い。とりわけクラリンみたいにパーティも〝カタチ〞から入る女子ならね。」

ラグビーW杯で大活躍したイングランドの泡がツウ


――では今シーズン、注目のスパークリングワインといったら?

柳「『コルピナット』とか『アルタランガ』とか、スペインやイタリアの新しいカテゴリーも気になるところだけど、個人的なトレンドはイングリッシュスパークリングワインかな。」


――えっ、イギリスでワインなんて造ってるんですか?

柳「ちょっと驚くでしょ。昔は寒すぎてブドウ栽培不可能とさえ言われていたけど、地球温暖化の影響で南西部や南東部を中心にブドウの栽培面積が増えている。

サセックス州やハンプシャー州にはシャンパーニュ地方と同じ白亜質の土壌もあって、上質のスパークリングワインができる条件が揃っているんだ。

将来的な温暖化の進行を憂慮して、イギリスに投資を始めたシャンパーニュメゾンさえあるくらいだよ。」

――気になるのはお値段ですが……。

柳「シャンパーニュよりも面積あたりの収穫量が少なく、手間のかかる瓶内二次発酵の伝統的製法だから、ノンヴィンテージのシャンパーニュとガチでバッティング。

それでもあえてイングリッシュスパークリングワインを選ぶのが粋というものじゃないかな。」

――イングリッシュスパークリングワインの中でも、柳さんおすすめの銘柄ってありますか?

柳「ハンプシャー州の『ハンブルドン』。いかにもイギリス人好みの熟成感や複雑味が楽しめ、下手なシャンパーニュは顔負け。これこそフルートグラスではなく、白ワイングラスに注いで飲みたいね。」

――ラグビーワールドカップでも活躍したイングランド! 話題性でパーティーでの掴みもばっちりですね!

たとえば、こんな1本
「ベリー・ブラザーズ&ラッド ハンブルドン、クラシック・キュヴェNV」

ハンプシャー州はイングランドにおける商業的ブドウ畑の発祥地。1999年からイアン・ケレットが投資を始め、立ち上げたのがハンブルドン・ヴィンヤード。シャルドネ、ピノ・ノワール、ムニエを用い、瓶内二次発酵で醸造。複雑味を備えたスパークリングワインに仕上がっている。

¥5,840/ベリー・ブラザーズ&ラッド日本支店03-3518-6730


教えてくれたのは、柳 忠之さん

■プロフィール
世界中のワイン産地を東奔西走する、フリーのワインジャーナリスト。迷えるビギナーの質問に、ワインの達人が親身になって答える。

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