―愛情か、それとも執着か?
幼い頃から、聖母マリアのような妻になりたいと願っていた、秋吉紗奈32歳。
しかし、彼女の運命の歯車は、航平からプロポーズを受け取ったときから狂いはじめる。
少しずつ蝕まれていく彼女の心。愛は時に凶器となり得る。
繰り返される心理戦、前代未聞の惨劇が今、はじまる。
♦これまでのあらすじ
会社の後輩・東航平(29)からプロポーズされた紗奈(32)。一方、以前から航平に想いを寄せていた今井美雪(26)は、二次会の幹事を引き受けながらも、航平との距離を縮める。2度目の大阪出張の日ついに航平は家に帰ってこなかった。
春の肌寒い気候はすっかり遠のき、雲ひとつない晴天に恵まれた5月初旬の土曜日。
AM5:30。紗奈は、式場近くにあるホテルのベッドで目覚めた。カーテンの隙間から朝の光が差し込み、うららかな空気が周囲を包んでいるように感じた。
眠気はすぐに消え、紗奈はひとり起き上がる。セミス......
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この記事へのコメント
先週まで手をこまねいて見ているサナが不思議でした。
でも人を呪えば穴二つ、だから、サナも復讐することによって傷付くだろうな。サナには幸せになってもらいたいけれど、どうなるんだろう。