とっておきのプレゼント
「今週末、ランチしない?」
再会した後は、しばらく何もなかったように日々は過ぎていった。しかし、1か月ほど経ったある日、太一から突然連絡がきた。
「久しぶりにあのお店に行きたいんだ」
“あのお店”というのは、恵比寿にある綾子の家からほど近いイタリアンで、付き合っている頃によく2人で通った店だ。
ーなんだろう、急にまた。
そう思いながらも、綾子は太一に「楽しみにしてるね」と返信をした。
◆
そして迎えた、約束当日―。
「懐かしいなー、このお店」
お店に入った太一は、懐かしそうに店内を見回す。
「メニューも全然変わってないし…昔に戻ったみたいだな」
しみじみとメニューを眺める太一を横目に、綾子は「そうね」とつぶやいた。
「あ、そうだ。忘れないうちに…」
ポーチから『賢者の食卓』を取り出す。綾子のクライアントである、経営者の洋介から勧められたのだ。
洋介は、仕事もプライベートも絶好調な先輩を真似て飲み始めたそうだ。綾子もその話を聞き感化され、今ではすっかり食事と共に摂ることが習慣化している。
「それは何?」
不思議そうな顔でこちらをのぞき込む太一に、“食後の血糖値や血中中性脂肪の上昇を穏やかにしてくれる特定保健用食品だ”、と説明する。
「クライアントの社長に勧められたんだけど、その人これを飲み始めてから体調管理がうまくいって自信がついたのか、仕事は絶好調だし、最近彼女までできちゃって」
そこまで言って、綾子は太一に『賢者の食卓』を1本差し出す。
「ほら、この間会った時、中性脂肪気にしてたから。ぜひ飲んでみて」
アイスティーに入れ、それを一口飲んだ太一は、目を丸くした。さっと溶けるのと、味が変わっていないことに驚いたようだ。
「ポーチに入れられて持ち運びも便利だし、私も毎食飲んでるのよ」
「ほうほう、これが綾子の美しさの秘訣か…」
太一はいつも通り綾子を茶化すように言ったが、自分の体を気にかけてもらったのが嬉しかったようで、「ありがとう」と何度も言ってくれた。
◆
ランチを終えた2人は、恵比寿ガーデンプレイスまでぷらぷらと散歩をする。このお店でご飯を食べてから散歩するのが、昔からの定番のデートコースだった。
「明日から、また出張なんだ。綾子と話せて元気がチャージされたから、頑張ってくるわ。ありがとな」
「こちらこそ。…そうだ、太一にプレゼントがあるの」
綾子は『賢者の食卓』が入った紙袋を差し出す。付き合ってもないのにちょっとやり過ぎかな、とも思ったが、今日の嬉しそうな太一の反応を見て渡すことに決めたのだった。
「出張や外食も多いと思うけど、これ飲んで、健康には気をつけてね」
「ありがとう...」
一言だけ答えた後、太一は何か考え事をしている様子で、黙り込んでしまった。
やはり少し図々しかっただろうかと不安になり、綾子が「今日はありがとう」と言いかけた瞬間、思いがけぬことが起きた。
太一が、綾子を抱き寄せてきたのだ。
5年前に自ら絶ってしまった太一の温もりを、久々に感じ、目頭がジンと熱くなる。
「ありがとう」
太一は再びそう呟くように言い、抱きしめる力を強めた。
「俺…、綾子と別れたこと、後悔してるんだ」
「えっ?」
「この間再会して、自分でも驚くほどやっぱり綾子じゃないとダメなんだって気付いたよ。海外について来れなくてもいい、こうやって戻ってきたときに綾子がいてくれれば、俺頑張れるよ」
「…デートしてた子はいいの?」
太一の真っ直ぐな想いに、綾子の心はグラグラっと揺れ動く。
「あの日以来、彼女とはもう会ってない。出張から戻ったら、また会ってくれる?」
予想もしていなかった展開に驚きを隠せなかったが、綾子はその言葉に大きく頷いた。
▶︎Next:12月20日 金曜更新予定
5年ぶりに再開した2人の関係はこの後どうなる?
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