偽装婚活 Vol.4

「結婚した方が体裁がいい」初デートで暴走する理系男に、女が2度目のチャンスを与えた理由

東大出身の、ハイスペック理系男子・紺野優作28歳。

ハイスペック揃いの仲間内で“平均以上”を死守することを至上命題としてきた優作は、そのポジションを維持するため、今、次のステージ「結婚」へと立ち上がることを決意する―。

◆これまでのあらすじ

大手メーカーでロボット研究をする優作は、4年ぶりに東京へ戻ってきた

既婚者となったチャラ男・大毅の変貌を目にしたことも手伝って、結婚できない男と評されることを恐れ、婚活を始めることを決意。

バーベキューで出会った丸の内のOL・芽衣子に狙いを定めた優作は、彼女を落とすことができるのか―?


バーベキューの日、自宅に帰った僕はLINEのトーク上で手を振るクマと格闘していた。

同僚のマイケル、芽衣子の3人で、丸の内勤務が新橋の店で出会った偶然を祝おうだのと適当な口実をつくって飲み直し、手に入れた芽衣子の連絡先。

QRコードを読み取り「じゃあ何か送っておきますね」と言った芽衣子が寄越したのがこのクマなのだ。そのクマにぶつけるべき言葉がなかなか見つからない。

―ああ、面倒くさくなってきた・・・

思わず本音がこぼれ、僕はベッドに倒れこむ。

正直なことを言うと、早くも僕は婚活に疲れ始めてきていた。

赤の他人が出会い、婚姻届けに捺印するまで一体何ステップあるというのだろう。その度に“解”を探すという行為…。途方もない。付き合うことが目的だった恋愛とはワケが違うのだ。

そんなことに今さら気づかされていると、手のひらでスマホが振動した。

驚くべきことに、芽衣子からのLINEだ。

『今日はありがとうございました。また今度お会いできれば』

トーク画面を開いていたため秒でついてしまった既読。

“ねぇ、何回既読無視すれば気が済むの?”

怒りで歪んだ顔とともに、いつかのその声が蘇った。記憶力が良いのも厄介なものである。

すでにカウントダウンは始まってしまったことを僕は悟る。

『今度、ごはん行きませんか』

自分が送ったとは思えないほど月並みな誘い文句が緑の吹き出しに現れ、何故か僕は辟易する。

そして緊張感と面倒くささが混ざり合うのを感じながら、ひとまず芽衣子からの返信を待っていた。

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