マルサンの男 Vol.8

「ソレだけは、生理的に許せない…」彼女との結婚も考えていた男が、女を突然フったワケ

でも南美は、茉里奈と会うことを拒んだ。

『茉里奈とは会いたくない』

せめて嵐が過ぎ去るまで待ってほしい。それまでは固い戸の向こうで、感情を捨て、ひきこもっていたい。

『わかった。そうだよね…』

既読がつくなり、すぐに茉里奈は返信してきた。

『ただ、これだけは伝えたい。数也さんとのことを黙っていたのは、二人がうまくいけばいいと思ったから』

茉里奈の言い分が南美の心に届くことはなかった。既読をつけても返信することはなかった。


いつかの雨の日のことを、南美は思い出す。

元妻たちのことも含め、数也のことをあれこれ詮索していた南美に対し、茉里奈は「もはやストーカーだよ」と忠告した。

だが南美は、こう反論した。

―茉里奈も同じ状況になったら、きっと私と同じことをするよ。それが人間なんだと思う。

皮肉にも南美の発言は正しかった。茉里奈も同じ状況で、南美と同じことをしていたのだ。

数也は理想の彼氏ではなく、茉里奈は最高の友人でもなく、二人とも人間だった。南美と同じ人間だった。

こうして南美は、恋人に続いて親友も失った。


▶Next:10月27日 月曜更新予定
急展開。秘められた数也の衝撃過去に、すべての伏線が繋がる。

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