ミーハー女 Vol.2

「私、男運がなくて…」。いつまでたっても幸せになれない女の嘆き

日々、新しいショップやレストランがオープンし、アップデートを繰り返す街・東京。

東京で、そのすべてを楽しみつくそうとする女を、時として人は「ミーハー女」と呼ぶ。

ミーハー女で何が悪い?

そう開き直れる女こそ、東京という街を楽しめるのだ。

PR会社に勤務するミハル(27歳)も、最新のものをこよなく愛する「ミーハー女」である。

ただミハルの場合は、恋愛においてもミーハーであり、それが人生を少しだけハードモードにしていたのだ。

◆これまでのあらすじ

商社マンからデートをドタキャンされたミハルの前に現れた匠。匠から、女としてのダメ出しをされて落ち込むミハルは、彼に連れられるまま、ある場所を訪れる。


夕暮れ時、煌びやかな銀座の街を、匠とミハルは歩いていた。

ブランドの路面店に立つ、モデルのような佇まいのドアマン。ピカピカに磨かれたショーウィンドウに並ぶ、新作のコレクション。

銀座という街は、東京のどこよりも、イイ女になった気にさせてくれる。

ミハルがショーウィンドウの前で思わず立ち止まると、匠がミハルに話しかけた。

「ねぇ。ミハルさんってさブランド物、好きでしょ。しかも、誰が見ても、あのブランドのだ!ってわかるデザインのやつ」

ー出た。また、この表情。

映画館で、商社マンにデートをドタキャンされたことを聞かれた時と同じ。

少し意地悪そうに笑みを浮かべながら質問をする匠に、なんだか全て見透かされている気がして、ミハルは恥ずかしくなった。

「そうですけど。ダメですかね?」

恥ずかしさを隠そうとして平静を装って質問に答えるミハルに、匠は相変わらず意地悪そうな笑顔で話を続ける。

「俺調べでしかないんだけどね、わかりやすいブランド物が好きな人って、デートする相手とか付き合う相手にもステータスを求める人が多い気がするんだよね」

「そんなことないですけど」

ミハルは焦って咄嗟に言い返したものの、心の中では否定できなかった。

「あ、そう?じゃあ、さっき何でデート相手のこと“商社マン”ってわざわざ言ったの?“友達”って言えばよかったじゃん」

「別になんの意図もないです」

「ふーん。本当のこと言われて、言い返せないだけに見えるけど」

ーそんなこと…。

言い返そうと思ったものの、たしかに匠の言う通りだった。

ステータスの高い男たちは、高級で美味しい店に連れて行ってくれるし、女性の扱いがスマートなため自分のことをとびっきりに褒めてくれる。

そんな男たちといる時の自分は、まるで高級ホテルに行ったり、ハイブランドを身につけている時のように、自己肯定感がこの上なく高まるのだ。

ーでも…、自分のためにもなるのに、男をステータスで選んで、何が悪いの?

この記事へのコメント

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No Name
なんでも見下しにかかってくるこの男よりは自分の価値観を持ってるミハルの方がかなり好感持てるんだけど
2019/10/13 05:1799+返信7件
No Name
最初から最後までペラペラな話だった
2019/10/13 06:0599+返信1件
No Name
ん!?これで終わり?
2019/10/13 05:4395
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