お嬢様という人種は、なぜ揃いも揃って美人なのでしょうか。
やはり良い血筋であったり、金を稼ぐ力のある両親の遺伝子を受け継いでいるからでしょうか。とにかく内部生のお嬢様たちは、僕の目にひたすら眩しく映りました。
しかしながら僕自身が、彼女たちの目に留まることはありません。おそらくお嬢様たちは、僕の存在にすら気がついていなかったはず。というのも、彼女たちは外部生のことを、そもそも同じ慶應生とすら思っていないのです。
これは後になって知った話ですが、内部の女の子たちは、高校生のうちから“いかにステータスのある男と付き合うか”を競っているそうです。
…17歳やそこらの女の子がですよ?
聞いた話によれば、高校時代、内部生同士でお花見をしたりする機会があるらしく、そうすると女子の母親たちが一斉に色めき立つそう。
娘と一緒になって花見弁当をこしらえ、とても高校生が作ったとは思えぬクオリティの重箱を娘に持たせるらしい。
「○○家のご子息がいらっしゃるんでしょ!?気合い入れなくちゃ!」
そんな風に家族ぐるみで洗脳されて育ってきているのだと知った後は、彼女たちが僕なんかを相手にしないのも仕方がないと諦めもつきました。
しかし自分のことを棚に上げてアレですが、はっきり言って僕と同じように片田舎から受験で入ってきた女の子には、どうも興味を持てないんです。
恋愛ってある種、無い物ねだり的な部分もありますから仕方ないことです。
そんなわけで、学内における最下層の“外部生”である僕は、夢のキャンパスラブとは無縁の日々を過ごしていました。
ところがある日、ついに“慶應ボーイ”ブランドを発揮できる場所を見つけたのです。
女子大生の栄華と、男子学生の悲哀
それは大学2年の、冬休みでした。
仲良くしていた同級生から、某女子大との食事会に誘われたのです。
なるほど、その手があったか…!
なぜもっと早く気づかなかったのか。そうです、学内では通用しなくとも、女子大の女なら早慶の男に目を輝かせるはず。
たとえ外部生だろうが、女子大の女の子が相手なら“慶應ボーイ”の力を大いに発揮できるに違いない。
その読みは大当たりで、僕はその冬、何度目かの食事会で出会った21歳の女子大生・花純と付き合い始めました。1歳ですが、年上の彼女です。
正直に言えば、同じ慶應の女の子と比べると頭の回転は物足りなかった。しかし当時は可愛ければなんでも良かったというのが本音です。
ふわふわのファーがついた真っ白のコートの下は真冬だというのにノースリーブ。ミニスカートの中はもちろん生足で、ついチラチラ覗く腿に目がいきます。
花純は、男心をくすぐるポイントを絶妙に押さえた子でした。
そして彼女にとっても“慶應ボーイの彼氏”はそれなりに自慢だったはず。
記念日には、新宿高層ビル最上階のレストランを予約したりして張り切りました。
花純も「わぁ!綺麗だね」なんて、目をキラキラさせて喜んでくれていたんです。
親が借りてくれた日吉のアパートに彼女が初めてお泊まりした夜も、初々しい反応を見せてくれました。…だから僕は、すっかり騙されてしまったんですよね。
そう、当時僕はまだ知らなかったんです。
「女子大生」というのが、“慶應ボーイ”なんかとは比較にならぬほどのブランド力を持っていることに。
この記事へのコメント
慶應卒として、ほんと悲しい。。。
にしても、浦安は田舎じゃないなぁ…新浦安は郊外って感じだけど、浦安は都内みたいだよ。
土地の下見してんのかな。
他の人も書いてたけど、浦安在住なら日吉まで通えるよ。一人暮らしさせてもらえて、ご実家余裕ありますよね。
あと、上京して大学から慶應通う子は、首都圏に住む子以上にものすごくお金...続きを見る持ちの子が多く、男女共おしゃれで洗練されてますよ。スマートな人が多く、大学から慶應組でも受験勉強頑張ってきて自信もありコントロールもできる子たちが多いから、こんなにあからさまに卑屈な奴、見たことないなぁ…
内部生も、その境遇を自慢してマウンティングしてくるような子、1人も会わなかったです。。
日吉のアパートを借りてくれる親がいて、庶民ですか。。。
ほかの話でもそうだけど、東カレにとっての慶應義塾は、かなり特別でなければならないのですね。