オトナの恋愛塾~解説編~ Vol.69

初デートで女からされた“おねだり♡”に、男の気持ちが一気に萎えた理由とは

解説1:初デートで“鮨”を指定してくる女はなんか嫌だ


翌日。僕は早速萌をデートに誘うことにした。

—北斗:昨日はどうもです!よければ、また今度食事でもどうですか?もしお忙しければ、軽く飲みだけでも(^^)


しかしすぐに既読になったのに、返信がなかなか来ない。チラチラと携帯を見ていたものの、ようやく返信が来たのはその数時間後だった。

—萌:こちらこそ、ありがとうございました。例えば来週の火曜か木曜などどうでしょうか?


幸い空いているし、仮に空いていなかったとしても、萌に会うためなら全力で予定を空ける。そのくらい僕は意気込んでいた。

—北斗:そしたら、来週の木曜でお願いします!何か食べたい物ありますか?


この時まで、僕は浮かれていた。デートの定番の質問をし、“何でもいいですよ”みたいな返信が返ってくると思っていたのだ。

しかし、萌の返信を見て、少し驚いた。

—萌:何だろう・・お鮨が食べたいかも♡


「・・・鮨!?」

“何でもいい”よりも、ハッキリとジャンルを指定してくれるのは嬉しい。鮨は美味しいし、僕も大好きだ。けれども、初デートでいきなり女性の方から“鮨”と指定されると、なんだかモヤっとする。

しかも萌の言う“鮨”とは回転寿司なワケがないし、ある程度のレベルを求めているのは明白だ。

—北斗:承知しました。そしたら、お店予約してまた連絡しますね(^^)


そう返信をしつつ、頭を抱える。

下手な所には絶対連れて行けないが、萌が今までどんな店へ行ってきたのかは未知数。かといって初デートで一人5万以上する店へ連れて行くのも、支払う側としてはリスキーだ。

結局悩んだ挙句、誰を連れて行っても喜んでもらえる『鮨 由う』を予約することにした。


「私、ずっとインスタでこのお店のこと気になっていて!来てみたかったんです〜嬉しいなぁ」

初めてだったようで、席について嬉しそうにはしゃぐ萌。その姿を見て、ちょっと安心する。どうやら、彼女のリクエストには無事応えられていたようだ。

「本当?よかった」
「来られて、嬉しいです!本当に、ありがとうございます」
「いえいえ、そんな喜んでくれたらこちらこそ嬉しいよ。萌さんって、いい子だね」

そうなのだ。実際に会って話していると、萌はとても朗らかで、素直な感じもするし、悪い子では全くない。

「この前も思っていたんですけど、北斗さんってお洒落ですよね」
「え?そう?嬉しいなぁ」

褒め上手だし、気立ても良い。きっと、奥さんとかにしたらチャキチャキと家事などもこなしてくれるタイプな気がする。

「お仕事って何をされているんでしたっけ?」
「エネルギー系の会社を経営していて」
「へえ、そうなんですね!そのジャンルはまだ勉強中なんですが、未来がある仕事ですよね」

仕事の話もできるし、会話力もある。

けれど、どうしてだろうか。

この笑顔の背後に、“鮨に行きたい”と萌が言えばいつでもどこでも連れて行ってくれるような、おじ様たちの顔がチラついてしまうのだ。

「すみません、明日は朝が早くて・・・また今度、ゆっくり行きましょう♡」
「そうだね、また今度ね」

この日は2軒目へ行くこともなく、解散となる。

—まぁでも本当に、鮨が食べたかったんだろうな。

自分自身にそう言い聞かせながら、僕は家路を急いだ。

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