2019.05.13
夫の異変は突然に Vol.15美男美女カップル、ハイスペ夫、港区のタワマン。
上には上がいるものの、周囲が羨むものを手に入れ、仕事も結婚生活も絶好調だったあずさ・30歳。
まさに順風満帆な人生を謳歌するあずさは、この幸せが永遠に続くものと信じていた。
…ところが、夫の非常事態で人生は一変、窮地に立たされる。
幸せな夫婦に、ある日突然訪れた危機。
それは決して、他人事ではないのかもしれない。もしもあなただったら、このピンチをどう乗り越える…?
「夫の異変は突然に」一挙に全話おさらい!
第1話:「夫が、何かおかしい」。誰もが羨む結婚生活で、30歳の美しき妻を襲った非常事態
「そろそろ起きないと間に合わないよ」
AM 7:30。あずさは、夫・雄太の布団を力いっぱい引き剥がす。
30分ほど前、カーテンを開けて暖房を入れておいたはずだが、雄太はベッドの中で背中を丸めて縮こまったままだ。
「ねえ、聞こえてるの?」
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第2話:突然、会社に行けなくなった夫。年収1,200万の男との結婚生活で、妻が感じた“危険信号”
−ゆうちゃん、大丈夫かなぁ。何があったんだろう…。
再びぼんやりしていると、美奈があずさの視界にぐいっと入り込んできた。
「私も、雄太さんみたいな仕事も出来てかっこいい旦那さんと結婚したいなぁ!ほんと、あずさって幸せ者だよねぇ。あー、うらやましい!」
「そ、そんなことないよ…!」
あずさは必死にそう答えながら、今朝の出来事を思い返していた。
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第3話:「まさか、俺が…?」挫折知らずの東大卒男。ハイスペ夫のプライドが崩れ去った、信じられない悲劇
「何か温かいものでも飲む?」
ソファに深々と沈み込み、険しい表情のままビクともしない雄太に向かって、あずさは話しかける。
病院で「うつ状態が見られる」と診断されてから、2週間が経過した。この2週間、雄太は休職することも心療内科を受診することもせず、有給休暇を使って休み続けている。
あずさが心療内科に行こうと諭しても雄太は頑なに拒み、自分がうつということをどうしても受け入れられずにいるようだ。
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第4話:「夫が、消えた…?」身も心も蝕まれた男。妻には秘密で、彼が5時間潜んでいた場所とは
雄太が突発的な行動に走ったり、早まったりするのではないかという不安があずさを襲う。外で救急車のサイレンが聞こえるたびに「まさか…?」と考えてしまい、カタカタと震えが止まらない。
近所のカフェや本屋、スポーツジムなど、心当たりのある場所でも雄太は見つからず、顔なじみの店員やスタッフに夫を見かけなかったか何気なく聞いてみたが、目撃情報も得られなかった。
ーこのまま見つからなかったら、どうしよう。早めに警察に届け出るべきかな…。
次なる策を悩んでいたその時、玄関の鍵がガチャリと開く音が聞こえた。
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第5話:「そんな旦那さん、私だったら離婚する」。夫を支える30歳妻に衝撃を与えた、友人からの冷たい助言
超事務的な松野の答えも気に食わないが、隣に座っている本田にいたっては、高そうな腕時計をチラチラ見ながら時間を気にしているではないか。
−この人たち、何なの…!?
一般的に、目の前にいる男たちは極めて市場価値の高いエリート男だ。しかし、今のあずさには、人の痛みにも弱さにも寄り添えない、無慈悲で最低な男どもにしか見えない。
あずさは、雄太をぞんざいに扱われた気がして、悔しさと悲しさと怒りで震えるのだった。
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第6話:病気の夫を支えるために、他の男に甘える妻。頼れる彼が“男の顔”を見せた、白昼の出来事
「なんか急に心配になっちゃってさ…。あずさが出て行っちゃったのかなとか。俺、捨てられたのかなって」
「そんなこと…。心配かけてごめんね」
よほど心細かったのか、雄太は力一杯抱きしめてくる。
そんな夫を慰めながら、雄太を一人にしてしまったこと、不安にさせてしまったことを後悔していた、その瞬間。
あずさの脳裏に、ある男の顔がフラッシュバックした。そう、さきほどまで一緒にいた、河村の顔がー。
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第7話:「夫といるのは、もう疲れた」男に頼って生きてきた女の思わぬ誤算。30歳の妻に起こった想定外の事態
「俺、中野のことが好きだったんだよ」
あの日、同期の河村からそう告白されたとき。あずさは突然の出来事に固まってしまった。ありがとうと返すのもおかしいし、なんと答えるべきか、頭が混乱して言葉が出てこない。
「ごめん、突然。でも中野が辛そうにしてるの、見ていられなくて。俺の正直な気持ちを伝えたまでだから、気にしないで」
そう言い残して、河村は逃げるようにベンチから立ち去った。
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第8話:妊娠中の妻が知った、夫の無謀な計画。失望した女の決断とは
「それで…ゆうちゃんの話ってなに?」
夕食後、雄太が食器の片付けを終えたタイミングを見計らい、改めて切り出した。
「俺は後でいいから。あずさ、何か話があるんでしょ?」
普段の雄太なら言いたいことをさっさと言うし、変に気を使ったり譲ったりすることはしないはずだ。やはり彼の話というのは、何か言いにくいことなのだろうか。そんなことを考えていると、雄太はもう一度尋ねた。
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第9話:夫の居ない隙に、妻のもとに届いた禁断のメッセージ。押してはならないスイッチがONになった夜
母に背中を押されて浴室へと向かうと、あずさはゆっくりとバスタブに浸かる。
−ゆうちゃんは、私のことなんかどうでもいいんだろうな。
ふと、雄太と言い争いをしたときのことが、脳裏をよぎる。
あずさが実家に帰ると宣言した時、まさか雄太があんなことを言うなんてー。
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第10話:「私が惹かれるのは、強引な男なの…」弱った夫を4日間放置し続けた妻。解放された女の胸の内
そういえば家を出てから、雄太からは何の音沙汰もなく、LINEひとつ送ってこない。
Facebookのメッセンジャーにはログイン履歴が表示されるから、生存確認的な意味でチェックしているが、定期的にログインはしている様子だ。
−私からは、絶対に連絡しない。
少し前までは心をかき乱されてシクシク泣いてばかりいたのに、今こうやって強気になれるのには、理由がある。
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第11話:「俺、裸の王様だったのか…?」妻を完全に見下していたエリート男。夫の鼻をへし折った痛烈な一言とは
−転職について聞いてみようかな。
いまだに、なぜあずさに転職を否定されたのか理解出来ずにいた。正直なところ、受け入れてもらえなかったことへの苛立ちが、しこりのように残っている。
環境を変えることで心機一転やりなおすことも出来るだろう。それに、無気力気味だった自分が前向きになっているのだ。応援するのが普通ではないか。さすがのあずさも、医師のお墨付きがあれば納得するかもしれない。
医師だって、こんなにも前向きだということが分かれば、喜んで勧めてくれるに違いないと、雄太は自信たっぷりに話した。
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第12話:「病める時も健やかなる時も」と愛を誓ったけれど。夫の異変に、綺麗ごとは通用しないと悟った30歳妻
「お父さんが、雄太さんと一緒に帰ってくるって。起きられそう?」
気分が優れずベッドで休んでいたあずさは、母親の声で目が覚めた。
−ゆうちゃんが来る…!?
慌てて枕元に置いてあったスマホを確認すると、雄太からLINEが入っていた。
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第13話:「女は、弱った時が狙い目だろ?」そう豪語する"万年セカンド男"が、人妻に狙いを定めた理由とは
実は雄太には、良い知らせがあった。ダイニングに夕食を並べ終えると、妻に向かって切り出した。
「あのさ。俺、あさって会社に面談で行くことになったよ」
まだ正式に復職の時期などが決まったわけではない。しかし今後について、前向きな相談をしに行くことになったのだ。
「えっ…」
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第14話:「旦那にないもの、俺は全部持ってるよ…」。かつて利用した男から、逆襲を仕掛けられた妻
「おはようございます」
案内されたミーティングルームに入ると、人事部の松野が座っていた。
「先日ぶりですね。ありがとうございます」
松野はそう言って、穏やかな表情を浮かべたまま、話を始めた。
「早速ですが、復職後のことについてお話させていただければ」
第14話の続きはこちら
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