夫の異変は突然に Vol.10

「私が惹かれるのは、強引な男なの…」弱った夫を4日間放置し続けた妻。解放された女の胸の内

美男美女カップル、ハイスペ夫、港区のタワマン。

上には上がいるものの、周囲が羨むものを手に入れ、仕事も結婚生活も絶好調だったあずさ・30歳。

まさに順風満帆な人生を謳歌するあずさは、この幸せが永遠に続くものと信じていた。

…ところが、夫の非常事態で人生は一変、窮地に立たされる。

幸せな夫婦に、ある日突然訪れた危機。

それは決して、他人事ではないのかもしれない。もしもあなただったら、このピンチをどう乗り越える…?

夫・雄太と言い争いの末、実家に帰ったあずさ。このまま雄太と別れてしまうのではないか、そんな不安に駆られるあずさのもとに届いた、河村からのライン。再び気持ちが揺れ動く…?


−はあ、なんて快適なんだろう。このまま実家暮らしで良いかも…♪

自分の部屋で寝転んでいたあずさは、母の「ご飯にするわよー」という呼びかけに、急いでベッドから飛び起きる。

「はーい!今行くね」

雄太と激しい言い争いの末、実家に戻ってきて4日目。想像以上に快適な日々を送っていた。

母が作ってくれる食事は、彩りもバランスも取れたプロ顔負けの料理だし、掃除、洗濯などの家事全般も日中にやっておいてくれる。

「ちょっとは手伝うよ」

一応、こんなセリフを返すが、母の「いいから。休みなさい」という言葉に甘えて、ほとんど何もしていない。

主婦になって2年経った今、家事の大変さは痛感しているため、ただ"手伝う"だけでいいというスタンスのお気楽さを噛み締めていた。それにつわりも徐々に辛くなってきた今、この状況はとてもありがたかった。

ちょっと前までの憂鬱で不安な気分が嘘のように、あずさは平穏な日々を送っている。雄太と離れると、こんなにも心が穏やかでいられるなんて。

そういえば家を出てから、雄太からは何の音沙汰もなく、LINEひとつ送ってこない。

Facebookのメッセンジャーにはログイン履歴が表示されるから、生存確認的な意味でチェックしているが、定期的にログインはしている様子だ。

−私からは、絶対に連絡しない。

少し前までは心をかき乱されてシクシク泣いてばかりいたのに、今こうやって強気になれるのには、理由がある。

それはきっと、河村のおかげかもしれない。あずさは、3日前の出来事をそっと思い起こした。

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