夫の異変は突然に Vol.13

「女は、弱った時が狙い目だろ?」そう豪語する"万年セカンド男"が、人妻に狙いを定めた理由とは

美男美女カップル、ハイスペ夫、港区のタワマン。

上には上がいるものの、周囲が羨むものを手に入れ、仕事も結婚生活も絶好調だったあずさ・30歳。

まさに順風満帆な人生を謳歌するあずさは、この幸せが永遠に続くものと信じていた。

…ところが、夫の非常事態で人生は一変、窮地に立たされる。

幸せな夫婦に、ある日突然訪れた危機。

それは決して、他人事ではないのかもしれない。もしもあなただったら、このピンチをどう乗り越える…?

ようやく仲直りした、あずさと雄太。穏やかな日々を過ごす雄太は、復職に向けて動き出す。


会社を休み始めてから2ヶ月半。

雄太は、あずさとともに穏やかな日々を過ごしていた。

つわりで体調の優れないことも多いあずさの代わりに家事をしたり、病院に付き添ったりしているが、お腹の中の子どもも順調に育っているようだ。

喧嘩ばかりで不協和音を聞かせてしまったことを反省し、最近ではモーツァルトを中心にクラシック音楽を流している。

「ゆうちゃんが胎教とか信じるの、意外だね」

あずさは、家でクラシックばかりかけている夫を怪訝そうに見ているが、これも雄太なりの愛情なのだ。そして毎日、大量に買った育児本を熟読していた。

「シュタイナー教育なんかも良いかもね」

「ちょっと気が早いよ」

そんな他愛もない会話をしながら、毎日を大事に過ごしている。

実は雄太には、良い知らせがあった。ダイニングに夕食を並べ終えると、妻に向かって切り出した。

「あのさ。俺、あさって会社に面談で行くことになったよ」

まだ正式に復職の時期などが決まったわけではない。しかし今後について、前向きな相談をしに行くことになったのだ。

「えっ…」

あずさははじめ驚いて目を丸くしていたが、次第に涙目になっていく。

「…良かった、ゆうちゃん。ほんとに良かった…」

泣きそうになるのを必死でこらえているあずさを見ていると、今まで彼女にずいぶん心配をかけてしまったな、とあらためて思う。迷惑もかけた分、これからは妻を少しずつでも笑顔にしてあげたい。

面談に対して不安がないわけではなかったが、雄太は心の中で「うまくいきますように」と願った。

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