夫の異変は突然に Vol.1

夫の異変は突然に:「夫が、何かおかしい」。誰もが羨む結婚生活で、30歳の美しき妻を襲った非常事態

美男美女カップル、ハイスペ夫、港区のタワマン。

上には上がいるものの、周囲が羨むものを手に入れ、仕事も結婚生活も絶好調だったあずさ・30歳。

まさに順風満帆な人生を謳歌するあずさは、この幸せが永遠に続くものと信じていた。

…ところが、夫の非常事態で人生は一変、窮地に立たされる。

幸せな夫婦に、ある日突然訪れた危機。

それは決して、他人事ではないのかもしれない。もしもあなただったら、このピンチをどう乗り越える…?


「そろそろ起きないと間に合わないよ」

AM 7:30。あずさは、夫・雄太の布団を力いっぱい引き剥がす。

30分ほど前、カーテンを開けて暖房を入れておいたはずだが、雄太はベッドの中で背中を丸めて縮こまったままだ。

「ねえ、聞こえてるの?」

おはよう一つ言わない雄太に苛立って、つい語気を強めてしまう。

凍えるように寒い冬の朝、布団から出るのが億劫になるのは分かるけれどー。

あずさは首を傾げた。

とにかくストイックな性格の雄太は、どんなに寒い日でも早朝に起き、毎朝10kmのランニングを日課として続けている。そしてたっぷりとかいた汗をシャワーで流し、あずさが用意する朝食を残さず食べてから、会社に向かうのだ。

ー体調でも悪いのかな…。

しかし、普段は多少の体調不良くらいでは絶対に会社を休まない夫にしては、珍しいことである。

リビングに戻り、あずさがコーヒーを淹れていると、雄太がようやく起きてきた。

「ゆうちゃん、コーヒー飲む?」

そう声をかけながら振り返り、彼の姿を見たあずさは言葉を失った。

−起き抜けなのは分かるけど…。

髪はボサボサで、ヒゲも剃っておらず不潔な感じ。なんだか青白い顔をして、フラフラ歩いている。

それは、あずさのよく知っている夫の姿ではない。いつもだったら、この時間には、ぴしっとスーツを着こなしてとっくに会社に向かっているはずなのだ。

「顔でも洗ってきたら…?」

すると雄太は今にも消えそうな声で「…うん」と答え、再び寝室に戻ってしまった。

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