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  • 東京23区男子 Vol.14

    好きになったのは、まさかの男…。1時間かけて都内に通う男が見せてくれた、泣けるほど素敵なもの




    あの日、盛り上がっていた里香とミツルと別れた希恵は、重要な用事を済ませるためにお台場に向かった。その用事を無事に済ませ、自宅のある六本木へ帰る・・・はずだった。

    しかし、自宅へ向かうタクシーの中で、予想だにしない衝撃の展開が希恵を待ち受けていた。


    「お客さん、お台場ってなぜ“お”を付けるか、知ってますか?」

    希恵がタクシーに乗ってウトウトしていた時、不意に運転手から話しかけられた。目を開けて窓の外を確認すると、豊洲のタワーマンションやお台場が見えた。どうやらタクシーは、レインボーブリッジを走っているらしい。

    突然質問を投げかけてきた運転手は、バックミラー越しに希恵に微笑みかけてくる。

    「さあ、知りませんけど」

    適当な返事をしていると、運転手はさらに話を続けてきたため、希恵は仕方なく相手をしていた。だが、しばらく雑談に付き合っていると、運転手は希恵に妙なことを聞いてきた。

    「さっきのお連れの方は誰ですか?旦那さん?確か、ご乗車される時、男性とご一緒でしたよね?」

    当たり前のようにそう言われたが、希恵は一人でタクシーに乗った。

    「一人でしたけど…見間違えたんじゃないですか?」

    「そうですか?いやあ、これは申し訳ない。この歳になると勘違いがひどくて、面目ない」

    ー変な質問をしてくる運転手さんね…。

    最近では珍しく、よく話しかけてくる運転手さんだと思いながら、ぼんやりと窓の外に目を戻す。

    東京湾の水面に映った夜景が、ゆらゆらと揺れている。その明かりを見ながら、希恵はまたまどろみの中へ戻っていった。



    「お客さん、もうすぐ着きますよ」

    再び運転手に声をかけられ、希恵は目を覚ました。自宅のある六本木に着いたのかと思い窓の外を確かめると、どうやらまだ六本木ではないようだ。

    「今、どこを走ってるんですか?」

    寝ぼけた頭で聞くと、運転手は「白金トンネルです」と答え、さらにこう続けた。

    「トンネルを出たら、すぐに目黒に着きますから」

    ー目黒?

    思いがけない地名に、希恵の頭が混乱する。

    「どうして目黒に?」

    「あれ、お客さん言いませんでしたっけ?目黒に行ってくれって」

    そんなことを言った記憶はない。確かにお酒を飲んではいるが自宅に帰ろうとしているのに、行き先を伝え間違えるなんてあり得ない。

    希恵はあからさまに不満そうな態度で「六本木です。六本木にお願いします」と言って、大きくため息をついた。

    「すみません、この歳になると勘違いが多くなりまして。お客様をお乗せする前に車を停めて、十分休んだはずなのですが。あ、そういえば…私が休んでいる時、埠頭に立っていたのって、お客様ですよね」


    またもや妙なことを聞かれて、希恵はため息をつきたい気持ちになる。

    「埠頭なんかには行ってませんよ」

    希恵の答えに、運転手は首を傾げた。

    「おかしいな。確かにお客様によく似た人だったけど…」

    納得のいかない様子の運転手を見ながら、希恵は胸騒ぎのような落ち着かない気持ちを抱えることになった。

    そして…

    「お客さん、もうすぐ着きますよ」

    六本木交差点の近くで、運転手がそう声をかけてきた。

    その時、希恵にある異変が起きる。実は希恵は・・・!?

    次第に明らかになる、希恵の残酷な真実。そして衝撃の結末が待っているのだった・・・


    続きは「東京二十三区女」第4話をご覧ください。

    東京を舞台にした全く新しいホラーミステリードラマ「東京二十三区女」が4/12(金)24時からスタート!

    大都市・東京の裏側には、数多くの恐怖の物語が秘められている。

    そんな恐ろしくも哀しい物語をテーマにしたホラーミステリー ドラマ「東京二十三区女」が 4 月 12 日(金)深夜 0:00(24 時)からWOWOWで放送スタート。全 6 話のオムニバスドラマとして、各話 の主人公が東京に実在する恐怖スポットへと足を踏み入れていく。

    そこには恐ろしい物語、隠された歴史、人間の悲しい過去が存在し た。その封印が解かれたとき、見る者は想像を絶する恐怖を目の当たりにする。

    今回登場した「希恵」は第4話で登場!演じるのは壇蜜だ。

    その他の回も豪華女優陣が熱演!

    ◆第1 話「渋谷区の女」 【倉科カナ】 4 月12 日(金)放送


    若者で賑わう渋谷区の路上で、何か鮮烈な波動を感じとったフリーライターの璃々子。

    大都会・渋谷の街の下には、アスファルトで蓋をされ、地上から隠され、暗渠となった闇に閉ざされた川が縦横無尽に張り巡らされており、そこには悲しい真実も共に潜められていた。

    失踪した母の行方を求め、暗渠に一人侵入した涼子(倉科カナ)。暗黒の世界で彼女を待ち受けていた衝撃の結末とは!?

    ◆第2 話「江東区の女」 【安達祐実】 4 月19 日(金)放送


    高度成長期、かつて夢の島一帯はゴミ処理場だった。

    今は夢の島公園として家族連れの憩の場でもあるが、闇に閉ざされた広大なゴミ処理場には一体何が埋められているのか・・・。

    伸子(安達祐実)とその愛人である料亭の主人は、大きな荷物を遺棄するため、この地にやってきた。そこで伸子を襲う衝撃の結末とは!?

    ◆第3 話「豊島区の女」 【桜庭ななみ】 4 月26 日(金)放送


    江戸時代から続くという“池袋の女”の因縁。

    失踪した娘の澪(桜庭ななみ)を探す男性と出会った璃々子。終戦後につくられた、多くの戦犯を弔うための巨大な墓だという噂もある東池袋中央公園で澪を見つけ出すが、澪は「私は、あの人の娘ではありません…」と璃々子に告げる。

    “池袋の女”の因縁がもたらした衝撃の結末とは!?

    ◆第4 話「港区の女」 【壇蜜】 5 月3 日(金・祝)放送


    「お客さん、お台場ってなぜ“お”をつけるのか、知っていますか?」

    服飾デザイナーの希恵(壇蜜)は不思議な問いかけをする運転手のタクシーに乗り込むが、その運転手は目的地に向かわずに夜の港区の各地を徘徊する。そして、走馬灯のように希恵の人生が蘇る。

    一体なぜ、目的地にたどり着けないのか…次第に明らかになる、希恵の残酷な真実と衝撃の結末とは!?

    ◆第5 話「板橋区の女」 【中山美穂】 5 月10 日(金)


    “縁切榎”は、縁切りの効力がある榎として古来より板橋本町の一角に祀られている。

    夫の不倫を疑った薫(中山美穂)は、尾行した夫が縁切榎を訪れ、暗号のような文字の絵馬を残し去っていく姿を見てしまう。実は、薫にとって縁切榎は“縁”のある場所であり、困惑と疑念が増幅していく。

    絵馬の暗号に秘められた驚愕の真実と、薫に憑依したものの恐るべき正体が明らかになる衝撃の結末とは!?

    ◆第6 話「品川区の女」 【島崎遥香】 5 月17 日(金)


    現存する江戸時代の処刑所、鈴ヶ森刑場跡。

    品川区の交番に勤務する木内巡査は、事件現場で何度も不審な女性を目撃する。それは、璃々子(島崎遥香)だった。木内は鈴ヶ森刑場跡に入っていく璃々子を追いつめるが、璃々子は意外な事件の真相を語り出した。

    木内を見つめていた視線の正体は一体誰なのか、そして、璃々子を取り巻く秘密も明らかになる衝撃の結末とは!?


    知られざる東京の秘密が、ついに明かされる…?


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