一つの時代が、終わりを告げようとしている。
「M T S H 年 月 日」
書類などで、生年月日を記入する欄に書かれている「M T S H」の文字。ここに、もうすぐ新しい文字が加わるのだ。
「H」という、30年と少し続いた時代が終わろうとしている今、東京カレンダーでは「H」を象徴するようなエピソードを振り返ります。
あの日あの時、あなたは何をしていましたか?
初回は、神楽坂に住む美和(37歳)の思い出を紹介します。
もしかしたら、私の人生は後悔ばかりかもしれない。
平成が終わる2019年の今年、私の短かった結婚生活も終わりを迎えた。
4年間の結婚生活は、過ぎてみればあっという間で、「結婚の100倍大変」なんて言われる離婚さえも、簡単にあっけなく終わった。
どちらかに大きな落ち度があるわけでもなく、小さなケンカを繰り返すうちに、二人で一つ屋根の下にいる理由がお互いにわからなくなってしまい、その結果が離婚だったというだけ。
所詮、子供のいない夫婦なんてそんなものなのだろう。恋人同士の延長の、夫婦ごっこのようなものだったのだ。
転職して5年目。私が勤めているIT系の会社のお給料は、女一人が東京でそれなりの生活水準で生きていくのに、困らない程度はもらえている。
また、それなりの蓄えはあり一部は投資に回しているから、老後への不安がゼロとは言えないまでも、「なんとかなるよね」という楽観的な気持ちもある。
だから、離婚をそんなに大ごとには考えていなかった。
けれど実際に元夫との同居を解消すると、多少のダメージを受けている自分に気づくことはあった。
この記事へのコメント
平成振り返りオムニバスかぁ〜〜いつもの東カレとは毛色が違っておもしろい。
バブルの時代に四大卒女子は金融機関に就職した人が多く、私の周りも銀行、證券、生保、損保、と日本の代表的な企業にこぞって就職した。私もその1人。まさか「銀行が倒産する」時代がやってくるとは夢にも思わなかった。