2019.04.28
サヨナラH Vol.7一つの時代が、終わりを告げようとしている。
「M T S H 年 月 日」
書類などで、生年月日を記入する欄に書かれている「M T S H」の文字。ここに、もうすぐ新しい文字が加わるのだ。
「H」という、31年と少し続いた時代が終わろうとしている今、東京カレンダーでは「H」を象徴するようなエピソードを振り返ります。
あの日あの時、あなたは何をしていましたか?
「サヨナラH」一挙に全話おさらい!
第1話:“夫婦ごっこ”を終えた、37歳女の孤独な夜。離婚後の傷心を癒した、昔の男との思い出とは
平成が終わる2019年の今年、私の短かった結婚生活も終わりを迎えた。
4年間の結婚生活は、過ぎてみればあっという間で、「結婚の100倍大変」なんて言われる離婚さえも、簡単にあっけなく終わった。
どちらかに大きな落ち度があるわけでもなく、小さなケンカを繰り返すうちに、二人で一つ屋根の下にいる理由がお互いにわからなくなってしまい、その結果が離婚だったというだけ。
所詮、子供のいない夫婦なんてそんなものなのだろう。恋人同士の延長の、夫婦ごっこのようなものだったのだ。
第1話の続きはこちら
第2話:普通の女が“モテ女”に変貌した理由。金銭感覚が麻痺した彼女の、危うい私生活とは
手入れされた髪、メイクも丁寧で、ファッションもそれなりの物を身につけている。「綺麗になりたい」という熱意が、その外見からひしひしと伝わってくる。
…思わず、大きく頷いてしまいそうになった。まるで昔の自分を見ているかのようで。
20代前半。私も彼女たちとまったく同じ状況だった。いや、もっとどうしようもなかったかもしれない。
精一杯背伸びをして、見栄を張って。可愛くなりたい、愛されたいと願っていた。そのためには、“身の丈”になど合わせていられなかったのだ。
第2話の続きはこちら
第3話:32歳女が忘れられない、“友達以上恋人未満”の男。彼がmixiで連絡してきた危険な理由とは
25歳までに運命の人を見つけ、27歳には結婚して寿退社する。そんな未来が待っているだろうと思っていたのに…。気づけばメガベンチャーの広報部としてのキャリアを順調に積み上げ、勤続10年を迎えたのだ。
仕事は楽しいし、正当な評価も報酬も得ている。必死に働いてきたこの10年には誇りがあるのだ。この歳で未婚だったとしても、決してこの東京という街では珍しいことではない。
だが30代を迎え、次々と結婚していく友人や同僚、果ては後輩の結婚式に呼ばれるたびに不安や焦りが心を覆った。
第3話の続きはこちら
第4話:「毎日シャンパン、移動はヘリコプター」。熱狂的な16年前の六本木で、幸せを掴んだ女と消えた女の分岐点
「車寄せじゃなくて、エントランスの方にお願いします」
『フィオレンティーナ』でお茶をするため、「グランドハイアット東京」をタクシーで目指す。快晴で気持ちの良い今日は、テラス席でも良いかもしれない。
そんなことを考えながらタクシーを降り、空を見上げてみる。そこにそびえ立つシンボリックなタワー・六本木ヒルズができたのは16年前の2003年。
久しぶりに六本木に来たせいだろうか。いつもは何も感じないこの景色なのに、ふとあの日々が走馬灯のように蘇ってきた。
第4話の続きはこちら
第5話:「子供は欲しいけど、結婚はできない…」7年付き合った男が放った衝撃の言葉に、絶望した30歳の女
それにしても、せめてカットライムでも絞れば雰囲気の一つも出るが、自分のためだけにその一手間をかける気力は湧かなかった。
放り出した上着。脱いだままのストッキング。直飲みのビール瓶。気休めに手に取ったサプリメントのボトル。これが、あと少しで誕生日を迎える千花の瞳に映る全てだ。
42年前、両親が名前に込めた願いを、叶えることができなかった。
誰にも愛されずに迎える誕生日…。こんな日が来るなんて、全く想像していなかったのである。
第5話の続きはこちら
第6話:美人妻の黒歴史。有名“ママ”インスタグラマーとして聖母のように微笑む女の、SNS炎上覚悟の過去
—これ...もしかして...マユ...?
そこには、清々しい笑顔で2人の小さな男の子に挟まれ、赤ん坊を抱く女の姿があった。タグは「#3女誕生」、ついた「いいね!」は2,000以上。柔らかな栗色の髪に、自然で親しみやすい笑顔。すらりと長い美脚は、三児の母のものとは思えない。
しかしマユは、私の高校時代の記憶とは印象がまったく逆転していた。彼女だと気づくことができたのは、笑顔の端から少しだけ覗く八重歯だけが、女子高生時代“コギャル”を貫いていたマユの面影を残していたからだ。
第6話の続きはこちら
【サヨナラH】の記事一覧
2019.12.31
Vol.9
2019年ヒット小説総集編:「サヨナラH」
2019.04.29
Vol.8
「リーマンショックの亡霊」に取り憑かれ、夫の年収が億から“1桁下がった”妻の悲劇
2019.04.15
Vol.5
「子供は欲しいけど、結婚はできない…」7年付き合った男が放った衝撃の言葉に、絶望した30歳の女
2019.04.08
Vol.4
「毎日シャンパン、移動はヘリコプター」。熱狂的な16年前の六本木で、幸せを掴んだ女と消えた女の分岐点
2019.04.01
Vol.3
32歳女が忘れられない、“友達以上恋人未満”の男。彼がmixiで連絡してきた危険な理由とは
2019.03.25
Vol.2
サヨナラH:普通の女が“モテ女”に変貌した理由。金銭感覚が麻痺した彼女の、危うい私生活とは
2019.03.18
Vol.1
サヨナラH:“夫婦ごっこ”を終えた、37歳女の孤独な夜。離婚後の傷心を癒した、昔の男との思い出とは
おすすめ記事
2019.04.22
サヨナラH Vol.6
美人妻の黒歴史。有名“ママ”インスタグラマーとして聖母のように微笑む女の、SNS炎上覚悟の過去
2018.05.02
裏切られた妻たち 番外編:「この夫婦は、いつか壊れる…」“彼女”が妻に会って芽生えた、醜い感情
2019.10.24
オトナな男
付き合っていない男の部屋に誘われて、思わず・・・。「好き」とは言わない男の誘惑に負けた女
2020.09.25
男子校男子
「刺激が必要…」夫に従順な32歳女が、夜な夜な秘密でしていること
2021.08.27
絶食系女子
絶食系女子:恋愛経験ゼロの女を、3回目のデートで家に誘ったら…。男が衝撃を受けたあるコト
2020.09.07
報道ガールの恋愛事件簿
これでもまだ、私を女として見てくれる…?デートの夜、素性を明かした女に男が取った行動
2015.02.24
身も心も酔わせる、二軒目の切り札
二軒目の『STAR BAR GINZA』の魔のサイドカーで引き出す本音
2019.07.11
32歳のシンデレラ
32歳のシンデレラ:「私は、30代に何を願えばいい…?」上京の夢を諦め、地元で30歳を迎えた女の決意
2020.03.22
ピンクが好きってダメですか?
可愛すぎる女と、男勝りな女。不器用なバリキャリ女達の結末は?「ピンクが好きってダメですか?」全話総集編
2019.11.07
聖女の仮面
「男もお金も、美しい顔も手に入れたのに…」10年かけて立場逆転した27歳女が、不幸な理由とは
東京カレンダーショッピング
『佐藤養助商店』:門外不出の技による、喉ごし滑らかな"稲庭干饂飩"
『かに物語』:ふっくらと肉厚な一本爪が2本入ったフレンチカレー
『西岡養鰻』:特製タレ付き!脂の乗った高品質な鰻を土佐備長炭で丁寧に焼き上げた蒲焼
『マルヒラ川村水産』:ご飯に載せて贅沢いくら丼!1粒1粒に旨みが凝縮された、とろける食感の北海道函館産天然いくら
『North Farm Stock』:北海道産ミニトマト使用!糖度が高く、コクとうまみがたっぷり詰まったトマトジュース
『ル・ボヌール 芦屋』:フリーズドライフルーツにホワイトチョコがたっぷりと染み込んだ新感覚スイーツ
『HAL YAMASHITA 東京』:シルクのようななめらかさ!冷え冷えトロリの新食感"ウォーターチョコレート"