人はいつだって、恋できる。
だが振り返ったときにふと思うのだ。
あのときの身を焦がすような激しい感情を味わうことは、もうないのかもしれない。あれが「最後の恋」だったのかもしれない、と。
それは人生最高の恋だったかもしれないし、思い出したくもない最低な恋だったかもしれない。
あなたは「最後の恋」を、すでに経験しているだろうか…?
この連載では、東京に住む男女の「最後の恋」を、東京カレンダーで小説を描くライター陣が1話読み切りでお送りする―。
前回は、二番目に好きな男と結婚した真希を紹介した。
今回お送りするのは、真希が本気で好きだった悟の恋人・美沙(33歳)の物語―。
「今週も疲れたなあ」
ソファーの上で寝転びながらテレビを見ている悟に、私はねぎらいの言葉をかけながら、食卓の上を片付ける。
悟は外資系コンサルティングファームに勤める30歳。帰国子女らしい明朗さと爽やかさを兼ね備え、育ちも良い。誰が見ても文句の付け所がない勝ち組だ。そんな......
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この記事へのコメント
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この時点でもう、真希?悟??誰だっけ???ってなってる。