人はいつだって、恋できる。
だが振り返ったときにふと思うのだ。
あのときの身を焦がすような激しい感情を味わうことは、もうないのかもしれない。あれが「最後の恋」だったのかもしれない、と。
それは人生最高の恋だったかもしれないし、思い出したくもない最低な恋だったかもしれない。
あなたは「最後の恋」を、すでに経験しているだろうか…?
この連載では、東京に住む男女の「最後の恋」を、東京カレンダーで小説を描くライター陣が1話読み切りでお送りする―。
前週は、最後の女として一樹と結婚した女・茜を紹介した。
今回は、茜の後輩である沙希の姉、真希の物語である。
結婚至上主義の世の中に対する違和感
「ね、お姉ちゃんはどう思う?私はやっぱり、他の女に目移りするような男とは結婚したくないなぁ」
「だって浮気を許すってさ、相手の男になめられてるってことでしょ?」
興奮しながら喋り続ける妹・沙希の話を聞きながら、私はいつものようにコーヒーにミルクを注いだ。
深い褐色が......
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この記事へのコメント
考えてるだけだし良いんじゃない?
どちらの道を選択しても、選ばなかった道の方が正しかったのでは、と誰もが思うこと。
選んだ自分を信じて進むしかないよね。
でも、意外と他の道も険しかったりするから、今の道が1番『まとも』だったりする(笑)
人生って不思議。