人はいつだって、恋できる。
だが振り返ったときにふと思うのだ。
あのときの身を焦がすような激しい感情を味わうことは、もうないのかもしれない。あれが「最後の恋」だったのかもしれない、と。
それは人生最高の恋だったかもしれないし、思い出したくもない最低な恋だったかもしれない。
あなたは「最後の恋」を、すでに経験しているだろうか…?
この連載では、東京に住む男女の「最後の恋」を、東京カレンダーで小説を描くライター陣が1話読み切りでお送りする―。
前週は、恋愛体質の女・ミホの話を紹介した。
今回は、ミホとは結ばれなかった一樹が、最後に選んだ女・茜の物語。
選ばれた女、選ばれなかった女
「ミホ先輩、二次会いらっしゃいますか?夫も、ぜひ来てほしいって…」
式場でゲストを見送りながら、私はあの女に尋ねた。夫、という部分をほんの少しだけ強調して。
あの女ーミホさんは、私の職場の元先輩。そして私の夫・一樹と"何かしらあった"であろう人だ。
「明日から出張な......
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この記事へのコメント
最後の女になるのはいいけど、この関係辛くないのかなー…。
そして、最後の女になれない可能性高い。