私のモラハラ夫 Vol.6

「この男の子どもを、宿してはならない」。夫の知らぬ2時間のあいだに、妻が起こしたヒミツの行動

可憐な妻と優しい旦那。

わたしたちは、誰もが羨む理想の夫婦だったはずなのに。

若くして結婚し、夫の寵愛を一身に受ける真美・27歳。

鉄壁で守られた平穏で幸せな生活が、あることをきっかけに静かに狂っていく。

そしてやがて、気付くのだ。この男が、モラハラ夫だということに。


優しく穏やかなはずの夫・陽介が、ある夜から少しずつ変わっていく。

体調が悪い妻の為という名目で、陽介が呼び寄せた姑からの密告により、真美にピンチが訪れる。

その後、逃げるように実家に戻るが、陽介の来襲により連れ戻されてしまい…


「ねえ、颯太もおかしいと思わない?」

留衣は2杯目のビールを注文すると、向かいに座る颯太に向かい、ぐっと身を乗り出した。

先週、颯太とのグループラインを作ろうというメッセージを送ったところ、スタンプでの返事が来て以来、真美からの連絡が途絶えた。

LINEの調子が悪くなったのかと思って電話も何度かかけたが、いつも音声案内に繋がってしまう。

そんな状態が続くことを不審に思った留衣は、相談に乗ってもらおうと、仕事終わりの颯太を呼び出したのだ。

「体調が悪いとかじゃねーの?あいつ、昔よく貧血起こしてたし。それか、もしかしらたら…コレとかさ。」

おどけた顔でお腹を大きくするジェスチャーをする颯太に、留衣は呆れ顔で続ける。

「ちょっと、私の話聞いてた?何かしら理由があるとしても、携帯番号まで変えるなんて変だって言ってるの!それに、ちょっと気になることもあるし。」

先月、真美の家に呼ばれた時、夫が真美の外出を嫌がることを嘆いていた。

あの時はただの愚痴くらいにしか思っていなかったため、"習い事をしたい"と旦那さんに頼めばいいと勧めたのだ。

その場でポーセラーツの体験レッスンを見つけ、二人で一緒に行こうと盛り上がり、予約をいれた。だけど、予約の数日前に、真美から行けなくなったとの連絡が突然入ったのだった。

「理由を聞いたけど、何も言わなかった。都合が悪くなったなら別の日に変えようって言っても、"もういいの"しか言わないのよ。…あんなに楽しみにしてたのに、絶対おかしい。」

「きっと何か事情があるんだよ。…他人の家庭に首を突っ込むのは、やめたほうがいいと思うけど。」

我関せずの態度をとり続ける颯太に聞こえるように、留衣はわざと大きなため息をつき、睨みつける。

「あんた昔、真美のこと好きだった訳じゃん?昔愛した女が困ってるかもしれないんだから、ここで行かなきゃ男がすたるわよ!わかったら明日朝10時に集合ね。」

「それって、何年前の話だよ…。」

ーそりゃ私だってお節介だとは思うけどさ。気になるのよね。

こうして半ば強引に颯太を誘い出した留衣は、翌日の朝、真美の家に行ってみることにしたのだった。

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