深窓の令嬢が、超リッチな男と結婚。
それは社会の上澄みと呼ばれる彼らの、ありふれた結婚物語。
有馬紅子(ありま・べにこ)もそんな物語の一人として17年間幸せに暮らしてきた。
しかし突然、夫・貴秋が若い女と駆け落ち同然で家を出てしまい、紅子のプライドは消えかける。
就職し、新たな一歩を踏み出した紅子は職場で、学生時代の後輩・涼子と再会。紅子に対して強い執着心を持っていた涼子に、家に誘いこまれ、貴秋に隠し子がいることを知らされた。
「…涼子さんの…言う通りかも、しれませんね」
鈍い痛みで頭が重く、視界に霧がかかったような、ぼんやりとした気分のまま、私は思わずそう口にしていた。胸にこみ上げる脱力感は虚しさ、そして行き場のないジリジリとした熱は、怒りという感情なのだろう。
「紅子さま…!」
私を見......
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この記事へのコメント
話の展開もこちらの想像を上回るおもしろさで、どんどん引き込まれてしまいました!
比べてはいけないかもしれないですが、
有料の黒塗りの車の小説よりおもしろかったです。
最終回もどの場面も素敵で本当に映像化してほしい!!
ちょうど離婚されてしまった檀れいさん主演で!
正式に離婚した紅子さまと、一度紅子さまに振られているけどまだ思いが残っていそうな坂巻さんとの今後の関係が気になる。
このお話は、本当に魅力的な人のお話だった。西條さんも実はさりげなく素晴らしい人だと思った。
しみじみといい物語だった。ありがとう紅子さま。加藤さんや小河さんの物語も読みたいなあ。で、まとめて本にならないかな、そしたら絶対買うんだけどな。