
日本のフレンチを支えてきた名店! 圧倒的なプロの技は、自身の仕事観にも影響を与える!
本物志向が強い街・白金。この街で32年に渡り、続いてきたフランス料理店があるのをご存知だろうか。
その名も『コート ドール』。
全国に名を轟かす名店であり、シェフの味を求めて、同業者も頻繁に訪れるという。
こういう店の価値を知ってこそ、真の大人ってもの。その魅力を紐解いていこう。
日本のフレンチを作り、支えてきたレジェンド店。原点に触れ、理解を深める。
『COTE D'OR』
真の大人とは何か。自らの価値観を持ち、氾濫する情報に惑わされることなく、本物を見極める審美眼を持つことではないか。
レストラン選びも然り。真の大人が、為すべきこと、それは、数多あるグルメ情報に惑されず、自分のスタンスに合った店を選び抜き、そこを行きつけにすることだ。
そんな慧眼を養うなら、ここ『コート ドール』をおいてほかにない。
黒鉄のランタンが灯しだす「COTE D'OR」の文字もどこか風格を湛える、レジェンドである。
数多くのグルマンに語り継がれてきたこの名店がオープンしたのは、1986年のこと。
それから32年、レストランの内装も料理も少しも色褪せてはいない。それも、日に4回くまなく掃除をする真摯な姿勢の賜物だろう。
重厚な木の扉を開ければ、そこはセピア色の心地よい空間。華美ではないが、品格のある佇まい。時の流れに流されることなく、真正直に年月を重ねてきた店だけが持ち得るオーラがある。
白金の洗練された空気を纏い、ここを訪れることが真の大人への第一歩だ。
かつては陸の孤島と言われたこの場所に『コート ドール』が誕生した1980年代後半は、ちょうどバブル全盛期。
そしてまた、北島素幸シェフや田代和久シェフら、フランスで修業を積んだ料理人達が続々と帰国し、実力派の店が群雄割拠した、まさに〝フランス料理の新世紀〞と呼ぶに相応しい時代だった。
その中にあって、帰国前から美食家らの注視をひと際浴びていたのが、斉須政雄シェフ、その人だ。
『タイユバン』や『ヴィヴァロワ』など当時のパリの三ツ星レストランで研鑽を積み、『ランブロワジー』では、主人ベルナール・パコーシェフの片腕として活躍。
二人三脚でミシュランの星を見事獲得した名料理人が、12年に及ぶフランスでの生活に終止符を打ち、日本に錦を飾る―その動向を、皆固唾をのんで見守っていたものだ。
この記事へのコメント
コメントはまだありません。