恋と友情のあいだで~廉 Ver.~ Vol.2

「好きだよ、可愛い」。ベッドでの常套句を駆使し、モテ期を堪能する商社マンの秘めたる思い

−なぜ今、思い出すのだろう?

若く、それゆえ傲慢だった同級生・相沢里奈の、目を声を、ぬくもりを。

持ち前の器用さと明るい性格で比較的イージーに人生の駒を進めてきた一条廉(いちじょう・れん)。

しかし東京は、平穏な幸せを簡単に許してくれない。

運命の悪戯が、二人の男女の人生を交差させる。これは、“男サイド”を描いたストーリー。

まるで青春ドラマのような学生生活を過ごした廉は卒業後、難なく第一志望の総合商社に就職を決める。

“商社マン”となった廉を待っていたのは、人生最大のモテだった。


「一条!お前、金曜のCA飲み来るよな?」

会議室を出たところで、後ろから肩を勢いよく掴まれた。

振り返ると、ニッと白い歯を見せて笑う浅黒い男の顔。同じ金属部門の先輩、藤井さんだ。

彼は僕のことを随分と気に入り、可愛がってくれている。

と言っても、それは何も藤井さんだけに限った話ではない。

僕は昔から人付き合いに苦労したことがなくて、先輩後輩問わずどこに行ってもすぐに友達ができるし、気づけば輪の中心にいる。

同期の集まりでも早々にリーダー役を務めるようになり、入社して1年が経とうという頃には、同じ部門はもちろんのこと、他部門でも広く“一条廉”の名は知られるようになっていた。

しかしそれにはちゃんと理由がある。僕は公私ともに、めちゃくちゃ付き合いがいいのだ。

「もちろんっす。っていうか聞いてください。俺、この前すっげー可愛いグラドルの子と知り合ったんすよ。友達紹介してって頼んであるんで、決まったら必ず藤井さんのこと誘いますから」

「まじ!?お前、ホント仕事できるよな」

ご満悦の先輩に自信たっぷりに頷いて見せた、その瞬間。視界の端に見覚えのある女の姿が映って、僕はハッとする。

呆れ顔で僕に冷たい視線を送る女…相沢里奈だ。

この記事へのコメント

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昨日の里奈より、廉の方が調子こいてて、ウザい。別に励ましとか上から目線でいらないから。
2018/07/04 05:2299+
No Name
カスとかクズとかしか浮かばなかった。
2018/07/04 05:5699+返信31件
No Name
有名私立大学卒の商社マン合コンした時来たメンバー3人、女子の反省会で
「丸ぽちゃ君」(そのまま)
「乳首ヤロウ」(白シャツに乳首が透けてた)「何の変哲も無い人」(disりすらない、記憶に残らない人)
と呼ばれてた。女子はあっさり一次会で退散。商社と合コンしたのはこれが最初で最期。
この小説のようなフェロモンあふれる商社マンと会ってみたかったです。
2018/07/04 05:3281返信8件
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