2018.07.06
港区男子の交友録 Vol.1麻生さんのもうひとつの顔。
それは、音大でヴァイオリンを専攻する学生としての顔だ。
「実は小学2年生まで、親に半ば強制的にヴァイオリンをやらされていて。もう嫌で嫌でレッスン日には先生から逃げ回っていたくらい(苦笑)。この経験がトラウマになって、音楽が大嫌いになったほど。
でも2年ほど前に、“言葉と音楽は、人間だけに与えられている”という話を聞きまして…。ならば音楽をやらないのはもったいないのではないか!と、約30年ぶりに奮起したんです」
最初は週に1回、個人レッスンを受けることから始めたというが、ある名器との出会いによって、ヴァイオリン熱がヒートアップ。ついには、音大に入学することまで決意したというのだ。
音色に惚れて購入した6億円の「ストラディバリウス」
その麻生さんの運命を変えた名器とは…。
まったくの音楽素人でも聞いたことはあるであろう、ヴァイオリンの最高峰、「ストラディバリウス」。
「最初は続けられるか自信もなかったので、イタリア製の250万円のヴァイオリンを購入したんです。いつ辞めてもいいよう保険をかけたつもりで(苦笑)。でも車も乗り心地に違いがあるように、ヴァイオリンも物によって、音色が全く違う。
それを知ってしまったら、もっといいものを、という欲が止まらなくなってきてしまって。そしてやはりと言うか、いつかはストラディバリウスを手に入れたい!というところまで来てしまいました(笑)」
だからと言って、本当に6億円もするヴァイオリンを買うというのは、凡人にはまったく理解できないのだが…。
そもそも「ストラディバリウスください」と言って、買えるものなのか?
「買えないです(笑)。楽器商も客をきちんと見極めますから、簡単には手に入りません。どこまで本気なのか、売ったとして、それにふさわしい人間なのか、彼らはすごく見ているんです。それはストラディバリウスが世界で500挺しか存在せず、そのほとんどが過去の所有者がすべてわかるようになっているからなんです」
しかし、麻生さんはあきらめなかった。
まずはイタリアの「スカランペラ」の100年前のモダンヴァイオリンを一挺、3,000万円で購入。
他にも「ヴァイオリンの伴奏用に」とスタインウェイのグランドピアノを1,500万円で購入するなど、楽器商との付き合いを密にし、自分は本気でストラディバリウスを探していることを見せ続けた。
ヴァイオリンが連れていってくれた音大という新しい世界
そしてようやく手に入れたのが、1698年のストラディバリウスだ。
「いざ目の前にしても、さすがに実際に購入を決意するまでには6か月かかりました(笑)。でも、世界的な文化遺産なわけですし、所有者として歴史に自分の名前が刻まれると考えたら、ワクワクが止まらなくて。
また、何挺か実際に弾いた中でも、これは特に第3ポジションと言われる高音部分が素晴らしかったんです」
そう言って、たった2mという至近距離(!)でその音色を聴かせてくれた。
音楽にまったく疎い取材班をしても、確かにその音色は飴色のように艶やかで華やかな音であった(ような気がする)。
「音大は社会人入試を受験し、今年の春から週3回、授業を受けています。これもストラディバリウスに出会っていなかったら、考えもしなかったでしょうね。38人しかいない同級生の中で、たった1人の40代です(笑)。
また、ヴァイオリンを通じてプロの演奏者や楽器商など、新しい出会いも増えました。そういう意味では、ストラディバリウスが新しい世界に連れて行ってくれたと言えるかもしれません」
麻生さんのヴァイオリン愛は止まらない。
▶NEXT:7月13日 金曜更新予定
真っ赤なフェラーリを乗りこなす港区男子が登場
※本記事に掲載されている価格は、原則として消費税抜きの表示であり、記事配信時点でのものです。
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