ノリオとジュリエット Vol.3

ノリオとジュリエット:「家に行ってもいい?」勝算ナシだった清純派美女からの、大胆な誘い

立命館大学を卒業後、ゲーム機器メーカーの京都本社に勤める一ツ橋紀夫(ひとつばし・のりお)は正真正銘の庶民。

“普通”で平凡な日々を送る紀夫だったが、食事会でどこか謎に包まれた美女・萬田樹里(まんだ・じゅり)と出会う

樹里に心惹かれる紀夫。しかも翌朝、樹里から思いがけず「ふたりで会いたい」とLINEが

琵琶湖ドライブに出かけた二人は急速に距離を縮めるが、「家まで送る」という紀夫を、樹里は理由なく頑なに拒否。

そしてそんな中、元カノでアナウンサーの一二三薫にもある異変が?


−いったい、何を間違えた?

軽く100回は超える自問自答を繰り返していたら、朝になっていた。

ベッド脇の窓、きちんと閉まっていないカーテンの隙間から、空が白んでいるのが見える。

そもそも、樹里が待ち合わせ場所に京都駅を指定した時から、違和感はあった。

御所を中心とした正方形で生きる生粋の京おんなたちは、普段、京都駅なんぞにほとんど近寄らない。

樹里は「用事があって」と言ったが、それも今となっては本当なのかどうか。

そうか、と紀夫は思い至る。

何がいけなかったとかいう次元ではない。最初から、樹里は自分に好意などなかった。そう考えるのが自然だろう。

しかしそれならなぜ彼女は「ふたりで会いたい」などと言ったのか…?

まったくわからないが…しかしそもそも女心など、紀夫には理解不能なのだ。

「あー!」

やり場のない思いを声に出すと、紀夫はベッドから起き上がった。

いつも通りテレビをつけると、これまたいつも通り、アナウンサー・一二三薫がニュースダイジェストを伝えている。

かき乱される紀夫の心などお構いなく、世の中はいつも通りの朝を迎えているのだ。

早朝から明るい笑顔を見せる薫と自身の落差がどうにも情けなくなり、紀夫はつけたテレビをすぐに消してしまった。

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