理想の嫁 Vol.10

一家をピンチから救った専業主婦。ガンコな義父母の価値観を変えた女の「現代版・内助の功」とは?

ー女は、家庭に入って夫を影で支えるべきだ。

経営コンサルタントとして活躍していた美月のもとに、ある日突然義母から突きつけられた退職勧告。彼女は専業主婦となることを余儀なくされた。

内助の功。それは、古くから手本とされている、妻のあるべき姿。

しかし、美月は立ち上がる。

いまや、女性は表に立って夫を支える時代だと信じる彼女は、経営難に直面した嫁ぎ先をピンチから救うことができるのか?

先週「専業主婦なんてもったいない」と言われても揺るがない、自分の気持ちを再確認した美月。

歯科医院の立て直しについても、いよいよ本格的に動き始めたのだった。


「美月、やったよ!」

豊は、玄関の扉を威勢良く閉め、廊下をドタバタと走りながらリビングに入って来た。

その手には、ケーキが携えられている。

豊は、ケーキの箱をブンッと美月に差し出し、とびきりの笑顔を見せた。箱の中のケーキは無事だろうか。美月は心配になったが、後で豊と一緒に開けようと思い直してひとまず冷蔵庫にしまった。

「美月にゆっくり話したいことがあるから、ご飯の前にシャワー浴びてくる」

そう言うと、豊はまたまたドタバタと浴室に去って行く。豊がシャワーを浴びている間、美月のスマホはブルブルと振動が鳴り止まなかった。

さっきから義父母からのLINEが飛び交っているのだ。

義母からは、うさぎが踊っているスタンプが連投され、また、いつの間にかLINEを始めたらしい義父からも、クマが喜んでいるスタンプがひっきりなしに送られてくる。

理由はさっぱり分からないが、良いことがあったに違いない。浴室からは豊の鼻歌まで聞こえてきた。

−ほんと、単純で愉快な人たち…。

美月はクスリと笑い、豊の「話したいこと」とは一体どんな良い知らせだろうかと、心躍らせながらご飯を食卓に並べる。

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