理想の嫁 Vol.8

「高学歴で専業主婦なんて、もったいない」バリキャリ女からの痛烈な説教にも揺るがない、1つの決心

ー女は、家庭に入って夫を影で支えるべきだ。

経営コンサルタントとして活躍していた美月のもとに、ある日突然義母から突きつけられた退職勧告。彼女は専業主婦となることを余儀なくされた。

内助の功。それは、古くから手本とされている、妻のあるべき姿。

しかし、美月は立ち上がる。

いまや、女性は表に立って夫を支える時代だと信じる彼女は、経営難に直面した嫁ぎ先をピンチから救うことができるのか?

先週、豊との絆を再確認した美月。山内歯科医院の建て直しに向けて前を向く。


−ついに出来上がったのね…。

制作会社から送られて来たホームページのサンプルを見ながら、美月は少しだけホッとした。

ホームページ開設がゴールではないことは、百も承知だ。しかしながら、新患数の増加という目標に向かって動き始めた、大きな一歩である。

ホームページ開設に懐疑的だった義父も、サンプルを見て「おぉ、なかなか良いじゃないか」と満足げにしていた。

「豊がイケメン歯科医として人気が殺到したらどうしましょ!そしたらメディアも黙っていないはずだわ!」

義母は隣でキャッキャと騒ぎ、豊もまんざらでもないようで、「俺、しゃべりが全然ダメだから困ったなあ…」と、謎の心配で頭を悩ませていた。

ちなみに言っておくが、豊は決してイケメンの部類ではないので、心配無用だ。

おめでたい義母と豊に現実を突きつけるのも悪いので、美月は馬耳東風の姿勢を貫いている。

−あとは、オフィスへの認知度かしら…。

次なる課題に考えを巡らせていると、美月のスマホが鳴った。

コンサル時代の同期・真由子からである。一旦リビングから退出して、電話を取る。

「もしもし?突然ごめんね。イギリスから来日中のクライアントがどうしても歯医者に行きたいらしいの。明日、美月の旦那様に診てもらうことって出来る?」

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