朝子と亜沙子 Vol.7

上司への逆襲に執念を燃やす女。彼女の“ヒミツの姿”を目撃してしまった夜

ここはとある証券会社の本店。

憧れ続けた場所についに異動となった、セールスウーマン・朝子。

そこでは8年前から目標としていた同期の美女・亜沙子が別人のように変わり、女王の座に君臨していた。

数字と恋をかけた2人のアサコの闘いの火蓋が、今切られるー。

念願の本店に異動になった朝子だったが、同期・今井亜沙子は、先輩に土下座をさせ、後輩を追い込んで逃亡させるという傍若無人な女だった。

そんな矢先に、課長の寺島がパワハラで飛ばされ、営業一課は新たに島村課長を迎え入れる。島村の着任により、女王・亜沙子の天下はようやく幕を閉じたように思えたがー?!


新課長・島村と今井亜沙子が対立してからというもの、営業一課はかつてない苦難に直面していた。

朝子が帰宅しようと立ち上がったとき、島村から突然呼び止められた。

「中川さん。この予算以上に数字出来ませんか?」

まるですがりつくような目でじっと朝子を見つめている。あまりにも必死な島村の顔を見て、朝子は一瞬言葉に詰まったが、止むを得ず頷いた。

「…はい。予算はもうすぐ終わるので、月末まで出来る限り追加して行きます。」

「ありがとうございます…。」

それは消え入りそうな声だった。

前任の寺島課長がパワハラで異動となって島村が着任して以来、ようやく数字至上主義から解放され、今井亜沙子の天下は幕を閉じたと、課の誰もが思っていたはずだったのにー。

しかし、営業一課は今再び、追い詰められている。

朝子は、深いため息をつきながら、数週間前の出来事を思い返していた。



あれは今月の初めのこと。島村から振られた予算を見たとき、朝子はギョッとした。

―こんな金額、未だかつてやった事ない。考えただけで食欲なくしそう…。

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