コスパは高く、敷居は高からぬ 6.接待に効く和食店 Vol.1

コスパは高く、敷居は高からぬ「接待に効く」和食店

落ち着いた趣の店内奥の個室。4〜8名の利用に

銘柄にこだわらず、真に美味しい季節の素材に丁寧に仕事を施す―その理念からブレない料理を提供しつづけるのは、明治通り沿いに佇む『日本料理 雄』。店内は手入れの行き届いたキッチンを傍目に料理を堪能できるカウンターと、4名から8名まで利用できる落ち着いた趣の個室からなる。

料理は心尽くしの八寸からスタート。柔らかく炊き上げた新牛蒡にウニを合わせた一品や、人気のクリームチーズ豆腐、夏の到来を告げる翡翠茄子など彩り豊かな八寸は目にも楽しい。椀物は車海老のしんじょう。空豆のすり流しが涼を運ぶ。締めは名物・鯛茶漬けを。秘伝の胡麻ダレを鯛に絡めてまずは一口、その後、出汁をかけて一口。天日干しにした米は粘度、甘み、艶ともによく、コクのある胡麻ダレと繊細な白身と好相性。「食べて『これ何?』と言われるような奇をてらった料理ではなく、『○○が美味しかった』と言っていただけるような料理をお出ししたいんです」と店主の佐藤雄一氏。

その言葉通り、繊細な仕事ながら、それを感じさせぬシンプルな仕上げの料理は、素材の味がストレートに心身に響く。記憶に残るその味は、同時にその接待を強く印象づけるであろう。

左.車海老のしんじょう。つなぎをあまり使わずに、海老そのものの味が楽めるように仕上げている

右.鯛茶漬け。濃厚かつ繊細な胡麻ダレは絶品。

八寸。近江こんにゃくとインゲンの胡麻和えや玉蜀黍のかきあげなど。内容はその時季で変わる。以上は¥7,350のコースより

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