麻布十番という街の特徴のひとつは、堅苦しくない佇まいの店であっても、思いがけず美食にありつけるということ。これこそが十番デートが成功する要因であり、醍醐味でもあるのだ。その最たる〝十番らしい店〞に『りゅうの介』がある。
堅すぎない雰囲気ながら味は一流。その店選びこそ十番の上手な使い方
『りゅうの介』
馴染みある空気が流れる店で料理が絶品な場合、この街でその誘いはむしろ最強となる。
これ、〝十番上手〞の常套手段なのだ。麻布十番の路地裏にそんな条件に合致する『りゅうの介』という店が存在する。
無骨な鉄の階段を登れば、そこには小さな日本料理屋がある。どこか下町的風情もありつつ、実は2016年から3年連続ミシュランのビブグルマンを受賞している話題店。
店主の加賀田龍之介さんは、『なだ万』での経験含め和食歴25年になる熟練の料理人だ。「漁師になるか、料理人になるか」というほどの魚好きで、気軽に魚を美味しく食べられる店として8年前にオープンさせた。
この店のカウンターは、木の曲線がうまく活かされ、柔らかく緊張感を感じさせない。この温もりあるカウンターに、ふたり並び、背に大人な喧騒を感じながら、美食を堪能すれば、ふたりはリラックスして日本酒も進むことだろう
旬の魚は刺身、煮付け、炭焼きなどで提供され、その味のよさに十番の大人たちは大満足。
そんなころ焼き魚が登場し、ふっくらジューシーな魚をシェアすれば睦まじさは急上昇。店は連日賑わい、その喧騒がカウンターでのデートをあと押しする。
会話が通りやすいよう自ずとふたりの距離は近づき、気取りのない雰囲気のなかでは冗談も言いやすい。
気を張らないこの空間で絶品和食を食べ終わるころには、当たり前のように、ふたりの心の距離も物理的な距離も近づいているというもの。
付き合う前のふたりにも最適な環境で、互いが自然体になれるのだ。まさに等身大の最上級。飲んで食べて笑って、そんな時間がふたりの関係性の決定打となるのだ。
十番が使えてこそ、大人です。
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