リスクを嫌う男 Vol.7

「保険プランナーさんとかいいな♡」思わせぶりな小悪魔美女に、リスクを嫌う男が翻弄された夜

−保険プランニング−

そのとき、人間の本性が自ずと露わとなる。

三上保(みかみ・たもつ/30歳)は、外資系保険会社の保険プランナー。

新婚夫妻の闇清純な妻の秘密を目撃するたび「結婚は最大のリスクである」と考えを拗らせていく保だが、運命の出会いは突然やってくる。

どストライクな小悪魔美女・美里に心奪われる保。が、彼女は貯金0円の浪費女だと判明。しかし意外な素顔を知り、内面にも心惹かれていくのだった。

出張先の石垣島から戻った保は、美里とのデート…ではなく、3度目のアポイント(保険提案)へと向かう。


契約の日


渋谷の『セルリアンタワー東急ホテル』、ガーデンラウンジ『坐忘』

窓の外が夜景に変わると、昼間の明るく開放的な雰囲気から一変、どことなく艶のある空気が流れている気がする。

そう感じるのは、これから会うのが原井美里だからかもしれないが。

マウスウォッシュでの口臭ケアを終え(アポイントの前には欠かさない習慣である)、保は窓際手前のわかりやすい席を選んで彼女の到着を待った。

美里からは、「仕事で少し遅れます」と連絡がきていた。

提案資料とともに、保はバッグから簡易な紙袋に入った“ある物”を取り出す。

それは、竹富島で出会った“大ちゃん”がお土産用に手作りしている白蝶貝のブレスレット。

宿泊までさせてもらって手ぶらで帰るのも忍びなく、ちょうど会う予定のあった美里にと、旅先の高いテンションでウキウキと購入したのだが…やはり大人しく“黒糖ちんすこう”にしておくべきだったか。

−よく考えたら、ブレスレットとか気持ち悪がられるのでは...。

ひとり眉間にシワを寄せながら、まじまじと白蝶貝を見つめる保。その後ろから、無条件に心が踊る声がした。

「あら、かわいいブレスレットですね♡」

【リスクを嫌う男】の記事一覧

もどる
すすむ

おすすめ記事

もどる
すすむ

東京カレンダーショッピング

もどる
すすむ

ロングヒット記事

もどる
すすむ
Appstore logo Googleplay logo