大毅が選んだのは...A:2回目のデートで契りを結んだ女
たしかに、最初は留衣のことが好きだった。何としてでも手に入れたいと思ったし、“おあずけ”をくらっても待とうと思っていた。
しかし3ヶ月の間に、僕はどんどん冷静になっていったのだ。
待たされれば待たされるほど、疑問が心の中に広がっていく。この無駄な駆け引きはなんなのだろうか、と。
決して、遊びで留衣に近づいたわけではない。こちらだっていい年齢だし、真剣に交際を考えていた。
それなのに、妙な恋愛バイブルのルールに縛られているかのような留衣。そんな彼女の行動が徐々に面倒になってきたのだ。
好きならば待てばいいのかもしれない。
だが逆に、僕のことを好きでいてくれるならば、何故そこまで固執するのか、分からなかった。
そこまでして守りたいものは、なんなのだろうか、と。
結局3ヶ月経って、初めて契りを交わした。
しかしその時には最初の熱はすっかり冷めており、僕の心が再び燃え上がることはなかった。
そしてそんな時に現れたのが、明美だったのだ。
留衣とは対照的に、明美は僕にストレートでジャブを打ってきた。素直な気持ちを包み隠さず伝えてくれる女性に対して、嫌な気分になる男性はいないだろう。
「明美ちゃんに彼氏がいないの、不思議だね。こんな綺麗で性格もいいのに」
「そういう大毅さんこそ、どうして彼女がいないんだろう?」
竹を割ったような性格だけれども、そのストレートさが僕には心地よかった。
実は初デートの段階では、僕はまだ留衣のことを思っていた。しかし2回デートするうちに、徐々に明美に惹かれ始めていたのだ。
「私、大毅さんのことが好きです」
2回目のデートの別れ際。中目黒の日本酒バーを出た途端に、ちょっと恥ずかしそうに思いを告げてくれた明美を、とても愛おしく思った。
◆
こうして僕は、明美を選んだ。
遅々として進まなかった留衣に比べて、明美とは同じテンションでスムーズに関係が深まったし、いつも自然体の明美のほうが一緒にいて楽しいと思ったのだ。
歳を取るほど、皆プライドばかりが高くなり、自分を守ることに必死になる。それは、生きてきた期間が長くなるほど、傷つかないように己を守る防衛術を身につけてしまうから。
断られるのが怖いし、フラれるのはもっと怖い。
しかしそんな無駄な自己防衛ばかり働いて、本当に大切なものを見失うことがある。
好きなら好きで、もっと素直になればいい。僕は、明美からそんな大切なことを教わった気がする。
大人になればなるほど、こじれていく。
だからこそ素直で、ストレートな愛情表現をしてくれる女性は何より魅力的だ。
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テーブル席か、カウンター。初デートで”落とせる”のはどっち!?
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この記事へのコメント
女に言わせてやらせてる、チキンでカスな男だよねこれ
出会った順番逆だったらどうだったんだろう?
単に新規の方が新鮮だからじゃない?