エビダン! Vol.8

たった1本の電話で、恋の行方は決まる。器用貧乏男の“決定力のなさ”が露呈した夜

都内でも住みたい街の上位に、常にランクインする恵比寿。

仲間と肩肘張らず楽しめるお店がたくさんあり、便利で、何より賑やかな街である。

ベンチャー系IT企業に勤めるサトシ(28)も、恵比寿に魅了された男の一人。

顔ヨシ・運動神経ヨシ・性格ヨシで、学生時代から人気者だったサトシは、その社交性から遊ぶ仲間には事欠かない。

元グラドルの杏奈に一目ぼれしたサトシ。しかし杏奈は、学生時代は冴えなかったが、現在外銀勤めの龍太に心奪われていた。そんな中、龍太は龍太である葛藤を抱えており、サトシも悩んでいた


—サトシ君、来週末は何してる?お天気も良さそうだし、ランチしよ♡


昼休みに携帯がブルルっと振動した途端、僕はLINEを確認した。

しかしそこに表示されていたのは、ここ何日もずっと連絡を待ちわびていた杏奈からではなく、梨香子からのものだった。

―どうして、好きな子からの連絡を待っているときに限って、興味のない子からの連絡が来るのだろうか...

恵比寿で梨香子と腕を組んでいるところを見られて以来、杏奈は素っ気なかった。LINEをしても反応が遅いし、返信があってもいつもより短文なのだ。

—週末、杏奈は龍太とデートしてるのかな...

考えたくもないが、そんな想像が胸をかすめ、僕は思わず頭を振った。

—どうせ暇でしょ?空けてといてね!


まだ返信もしないうちに、梨香子からもう一通のLINEが入る。

外からは暖かな春の日差しが差し込んでいるのに、僕の心は冷え冷えとしていた。

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