京都ちゃん Vol.2

京都ちゃん:根強く残るお見合い文化。ときめきも恋心もない結婚を受け入れる、女の本音

「凛ちゃん、この後は忙しいん?久しぶり過ぎて、立ち話だけじゃ足りひんわぁ。ゆっくりランチでもしたいけどなぁ…もし、時間あればやけど」

桜子に会うのは、彼女の実家の呉服店が開催した展示会に、親友・ゆりえと訪れた時以来。それももう、1年以上前の話だ。

それでも同じ世界で生きるもの同士、共通の話題などいくらでもある。

再会するなりマシンガントークを繰り広げていた桜子だったが、まだ話し足りないといった様子で名残惜しそうにしている。

凛子にとって桜子は学生時代からずっと憧れの存在であるから、そんな彼女の様子が素直に嬉しかった。

「大丈夫ですよ。私、いつでも暇やし(笑)」

そう答えると、桜子は「やったー!」と大げさに喜び、慣れた様子で電話をかけ始めた。

「祇園の『山地陽介』にしよか。二人やったら、今から入れてくれはるって」


桜子の本音


『山地陽介』は凛子も大好きなお店だ。木のぬくもりが感じられるモダンな店内は、自然と力が抜ける。

しかしこういう気兼ねない時間を過ごすことも、京野家に嫁いだが最後、難しくなってしまうのだろうか。

それを思うと、胸のあたりが鉛のように重くなる。

婚約者・拓真との入籍は、......


【京都ちゃん】の記事一覧

もどる
すすむ

おすすめ記事

もどる
すすむ

東京カレンダーショッピング

もどる
すすむ

ロングヒット記事

もどる
すすむ
Appstore logo Googleplay logo