京都に3代以上継続して住まう家の娘だけが名乗ることを許される、“京おんな”の呼称。
老舗和菓子屋に生まれ、葵祭の主役・斎王代をも務めた生粋の京おんな、鶴田凛子(26歳)。
西陣で呉服店を300年以上営む京野家に見初められ、跡取り息子である京野拓真と現在婚約中である。
しかし式場も婚約指輪までも義母にすべてを仕切られる窮屈な結婚に、早くも疑問を感じ始めてしまう。
そんな時、凛子の前年に斎王代を務めた憧れの先輩・桜子が、どうやら婚約破棄をするらしいという噂を耳にする。
京おんな達の、小さな世界
河原町にある京都タカシマヤ。
実母からおつかいを頼まれたついでに(入籍前の凛子は、未だ実家にいる)2階フロアで春物パトロールをしていると、視界の端に見覚えのある輪郭を捉えた。
−あれ、もしかして…桜子さん?
凛子をはじめ、京おんなが買い物に出かける場所といえば、ここ......
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この記事へのコメント
「ここに代々住んでくれて先祖には感謝している。京都人でも格上になるからね」。
登場人物には同情しますが、いつ京都人の底意地の悪さが爆発するか、見ものです^_^
知らないことはある意味幸せw