残念極まる男 Vol.6

彼女に高級ブランドを“列買い”する男。トップ・オブ・ハイスペ外銀マンに目が眩んだ女の誤算

一流の仕事につき、高い年収を稼ぐ東京の男たち。

世の中の大半の女性が結婚を夢見る、いわゆる“アッパー層”と呼ばれる人種である。

しかしその中でも、ハイスペであるが故に決定的に“残念な欠点”を持つ男、というのが存在するのだ。

元彼を35歳の美女・恭子にとられて傷心中の瑠璃子は、彼を忘れるためにハイスペ男との出会いを積極的に繰り返すが、なぜか残念男たちを次々引き寄せてしまう。

瑠璃子が出会う、“残念極まる男”たち。あなたも、出会ったことはないだろうか?

前回は、押しが弱くてタイミングを逃す歯医者に出会ってしまった瑠璃子。さて、今週は…?


「瑠璃子ちゃん、隣の席、いいかな?」

名前を呼ばれて顔を上げると、そこには爽やかな笑顔を浮かべたスーツ姿の男が立っていた。片手にはロエベの鞄をぶら下げ、袖口からはHUBLOTの腕時計が覗いている。

—えーっと、確か彼の名前は…ユウスケさんだったよね。

瑠璃子はにっこり笑って頷き、隣の椅子に置いていた自分のバッグを素早く片付けた。

瑠璃子は1ヶ月ほど前から、ワインスクールの講座を受け始めた。スクールの教室で、隣に座ったユウスケの顔をちらりと盗み見る。鼻筋の通った、整った顔立ち。

40代以上の既婚男性が多いクラスの中で、35歳のユウスケは初回からひときわ目立っていた。日本橋にある外資系証券会社に勤めていると自己紹介で話したとき、クラスの女子たちの空気がなんとなく変わったのを、よく覚えている。

休み時間になると、ユウスケが瑠璃子にそっと話しかけてきた。手には小さな手帳を持っている。

「これ、うちのセラーに眠っているワインのリストなんだ。よかったら見る?」

瑠璃子はユウスケの手帳を見せてもらうことにした。そこには、DRCのリシュブールやラターシュなど、初心者の瑠璃子でも一度は聞いたことのある超高級ワインが名を連ね、リストは何ページにも渡っている。

「えっ、ユウスケさん、これ全部持ってるの?すごい…」

感心して呟くと、ユウスケは嬉しそうに言った。

「うちのワインセラー、200本しか入らないんだよね。だから入りきらないワインがゴロゴロ転がってて、家中ワインだらけ」

—どれだけ広いおうちに住んでるのかしら…。外資系証券会社ってやっぱり凄いのね…。

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