残念極まる男 Vol.5

誠実さ抜群の歯医者と、初デート。“結婚向き”の男ほどこじらせているのにはワケがあった

一流の仕事につき、高い年収を稼ぐ東京の男たち。

世の中の大半の女性が結婚を夢見る、いわゆる“アッパー層”と呼ばれる人種である。

しかしその中でも、ハイスペであるが故に決定的に“残念な欠点”を持つ男、というのが存在するのだ。

元彼を35歳の美女・恭子にとられて傷心中の瑠璃子は、彼を忘れるためにハイスペ男との出会いを積極的に繰り返すが、なぜか残念男たちを次々引き寄せてしまう。

瑠璃子が出会う、“残念極まる男”たち。あなたも、出会ったことはないだろうか?

前回は、ネイティヴ気取りの弁護士・龍太郎に出会ってしまった瑠璃子。さて、今週は…?


「瑠璃子、君に紹介したい男がいるんだ。歯医者、性格はまじめで誠実。どう興味ある?」

ある日、大学時代の男の先輩からそんな連絡をもらった。どうやら先輩の友人が、瑠璃子の写真を見て気に入ってくれたらしいのだ。

先輩自身は既婚者だが世話好きで、過去にも先輩の紹介で知り合ったカップルが何組も結婚していると聞く。

—持つべきものは、人脈の広い、世話好きの先輩ね!

瑠璃子は上機嫌で、先輩が予約してくれた恵比寿の焼鳥店『喜鈴』へ向かった。

「瑠璃子ちゃん、はじめまして」

紹介された男の名前は、シンヤといった。歯科医、31歳。高円寺にある、父親の経営する歯科医院で働いている。ちなみに先輩とは、高校の同級生だ。

シンヤは、少し緊張した面持ちで挨拶をする。瑠璃子がにっこり笑って挨拶を返すと、彼は少し恥ずかしそうに視線をそらして、うつむいた。

—へえ…先輩が言っていたとおり、真面目で遊んでなさそう…。結婚するならこんなタイプがいいかな?

かつては女性慣れしている男性に惹かれた瑠璃子も、結婚を視野に入れるようになってからは趣味が変わった。

シンヤの穏やかな佇まいや、清潔感にとても良い印象を抱いた。巷によくいる、ガツガツ・ギラギラした男たちとは大違いだ。

「シンヤは、高校時代から真面目で、優等生だったんだ。落ちこぼれの俺なんかとは大違いだな!」

先輩が大口を開けて笑いながら、照れるシンヤの背中を何度も叩いている。瑠璃子はその様子を微笑ましく見つめるのだった。

そんな楽しい時間を過ごした瑠璃子だったが、帰り際にがっかりしたことがあった。その日シンヤから、連絡先を聞かれなかったのだ。

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