天現寺ウォーズ Vol.4

“幼稚舎同士婚”は、お受験合格への通行手形!?慶應幼稚舎妻のお茶会で感じた、圧倒的な格の違い

東京の勝ち組女である“港区妻”には、純然たる階級がある。

頂点に君臨するのは、生まれ育った東京で幸せに暮らす、生粋の“東京女”。

一方でたった一人で上京し、港区妻の仲間入りを果たした女たちもいる。元CAで専業主婦の桜井あかりも、その一人。

CA仲間だった東京出身の玲奈と百合が、実は着々とお受験準備をしていると知り、地方出身の自分との格差を感じるあかり

信頼する友だち・凛子から慶應幼稚舎の魅力をきき、さらに紹介された教室で出会った美貌の教師・北条ミキに勧められ、受験を決意。

玲奈と百合に受験することを伝えると、東京出身の二人は今まで見せなかった一面を見せ、あかりの受験に対する認識の甘さをつきつけるがー。


「本日からお世話になります、桜井と申します。息子の旬ともども、よろしくお願いします」

教室の初日、差し入れを手に北条邸に着くと、凛子がリビングで子供を待つ2人の女性を「こちら由衣さんと理沙さん」と紹介してくれた。

2人とも、髪も肌もよく手入れされていて、とても園児の母親とは思えない。彼女たちのような母親は、綺麗に身を整えながら、幼稚園や教室に1日何往復も付き添っているはずだ。

子供にプリントを解かせ、たっぷり読み聞かせをしたあとは、幼稚舎受験に関する情報収集と準備が待っている。もちろん家事もあるだろうし、兄弟がいればそれは2倍になる。

あかりは、今まで知ろうともしていなかったお受験ママたちに敬意を持つようになっていた。

「ただいまー!ママ、ハリネズミ作ったよ、見て!」

戻ってきた旬が手にしているのは工作物で、針の細かいところまで良くできている。しかし一緒にいた3人の子どもたちの作品を見て、あかりは息を呑んだ。

段ボールや色紙をつかった、子供の体ほどのキリンのオブジェ、躍動感あふれる南極のペンギンの絵、極彩色に彩られたパイナップルの立体工作。4、5歳の子のものとは到底思えない出来栄えだ。

それでも「良くできてるね!」と旬を笑顔でほめていると、北条から大量のプリントを渡された。

「最初はお母さまが一緒に解いてください。1日20枚から初めて、3か月で1日50枚、1枚2分程度が目標です。幼稚舎はノンペーパー校ですが、ペーパー的思考も必要です」

その言葉に、あかりは必死でうなずいた。

「それから次週までに、福澤先生の『福翁自伝』を読んで、思うことをまとめてきてください。願書に必要です」

“あなたには相当頑張っていただかないといけません”と、初めて会ったときに言われた言葉をかみしめながら、旬とともに帰路に着いた。



その夜、玲奈から連絡があった。

何でも幼稚舎時代の同級生たちとお茶をするので、あかりも情報交換に来たら、と言う。

同級生の集まりに一人で乗り込むのは気が進まなかったが、今は幼稚舎の情報を少しでもキャッチしたい。あかりは思い切って参加すると答えた。

しかしこの集まりで、あかりは真の「幼稚舎出身」の世界を見せつけられ、その格の違いに圧倒されることになる。

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