レストランは、もはや料理を楽しむだけの場所ではない。斬新なプレゼンテーション、未知なる美味は、ときとして人生観を変えるほどの力を持つ。
そんな魔法のような体験が待つレストラン神楽坂の『SECRETO』が話題だ。
世界基準のレストランは何もかもが非日常
『SECRETO』
神楽坂と牛込神楽坂と中間地点。まったくの住宅地に昨年10月オープンしたのが、こちらの『SECRETO』だ。
付近にはフレンチの名店『ル・マンジュ・トゥー』などもあるエリア。とあるマンションの1階に隠れ家のように佇むその姿は、まさに秘密のレストラン。
そもそも、この『SECRETO』という店名は、オーナーシェフの薮中章禎さんがプライベートで同じ名称のシークレットディナーを開催していたことが発端。
薮中シェフは、もともと『タパス モラキュラーバー』や、伝説のレストラン『エル・ブジ』で働いた経験を持つ実力派だ。
予約は1日1回転、10名のみ。19時に一斉スタートとなる。オープンは18時40分。店内に入ると、まずウェイティグバーでしばしの待機。
質感や温度を駆使した、分子調理を得意とする
19時になると同時にメインフロアに通される。ステージのようなテーブルが中央に置かれ、そこを取り囲むように10席が並ぶ。無駄なモノが一切省かれた空間。ここに入った瞬間から、薮中劇場はスタートしている。
乾杯はシェフが修業時代から愛飲しているというアガヴェシロップで甘みを足したジントニック。
前述した修業店からもわかるように、薮中シェフが得意とするのは分子調理。
「一品目は『秘密のオリーブです』」と、出された黒い粒を口に含むと、ひんやりとした温度に驚き、弾ける。
アルコールはペアリング。基本はワインだが、スペシャリテの「フォアグラのフレンチトースト」には、満寿泉の貴醸酒を合わせるなど旨みの重ね方も巧みだ。
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